さくら親善100周年~アメリカ東部・南部~
ユーラシア旅行社の「アメリカ東部・南部大縦断物語 16日間」より帰国しました。北部ボストンから始まり、大都市ニューヨークや首都ワシントンを通り、アメリカ建国の歴史には欠かす事のできないフィラデルフィア、そしてさらに南下し、南部最大の都市アトランタ、そこから先のテーマは音楽へと移り、カントリー音楽の発祥の地ジャクソンやブルースの町メンフィスそしてジャズ発祥の地ニューオーリンズを目指していきます。
今年の注目は「日米さくら親善100周年記念」です!ツアーでも、ワシントンDCで開かれている「さくら祭」へとご案内いたしました。今年は100周年ということもあり、日本のニュースでも大々的に放送されていたので、テレビでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
1912年(明治45年)、日米友好の証として約3千本の桜がワシントンへ贈られました。この桜は明治の終わりごろに、アメリカのタフト大統領夫人の希望により、当時の尾崎行雄東京市長がプレゼントしたもの。日本の桜の美しさをアメリカ本国へ伝えたのは、当時日本へ留学していた学生や来日していた学者達だったのです。春になると薄ピンクの花を咲かせる桜の美しさに心打たれ、この美しさを自国の人々にも見てもらいたいと、桜をアメリカへ移植する運動が始まっていったのです。その運動に積極的に参加したのは、旅行作家であったエリザ・シドモア女史。彼女の兄は横浜の領事館に勤務していたので、日本と縁があり、来日。そして日本滞在中に向島の桜の美しさに魅せられたそうです。彼女は今、横浜の外国人墓地に眠っています。1991年(平成3年)には、ワシントンから里帰りした桜の苗木がお墓の近くに植えられ、エリザに捧げられました。
今年は暖冬のためポトマック公園の桜は3月下旬にはすでに満開でした。私達がワシントンDCを訪れた4月上旬は八重桜がちらほらと咲いているのみ。
満開の桜が見られず、残念ではありましたが、100周年記念の年に、ワシントンを訪れる事が出来たのは特別な事です。今や世界の名所の一つとなっているポトマック河畔の桜並木、公園を歩いていると確かにその桜の木の本数は相当のもの!満開だったらどんなに素敵だったろうな~と思いつつも、ちらほらと咲いている八重桜を探すのも、宝探しのようで楽しかったです。 春といえば日本人に欠かせないのは、美しい桜を見ながらのお花見。
ポトマック公園にも出店がいくつかあり、日本食や日本のビールが売られています。桜の木の下では、アメリカ人が葉桜を見ながら、お花見(?!) をしていました。花は散ってはいたけれども、公園を訪れて春を楽しむ人の数はまだまだたくさんいましたちょうどワシントン滞在の夜には、花火大会も催され、日本有数の花火として知られる新潟県長岡市の花火が披露されました。ポトマック川河畔で打ち上げられた花火は約700発。桜や平和をイメージしたものや、東日本大震災の被災地復興への祈りを込めた大型の花火がワシントンの空を彩ったようです。
日本から遠く離れたアメリカの地でも、日本の桜が多くの人に愛されているということを知り、とても気持ちが温かくなりました。日本からの桜寄贈に感謝し、1915年(大正4年)にはアメリカから「ハナミズキ」が贈られました。花言葉は「返礼」であり、ハナミズキはアメリカで最も愛されている花の一つでもあります。ちなみに「さくら」の花言葉は、「心の美しさ」です。日本人が誇る桜のように、互いの心が美しく、そしてこれから先も日米の関係が友好的であることを願いつつ、ワシントンを後にしました。ぜひ一度は、異国の地で日本の桜が咲き誇る美しい景色を見てみたいものですね。(内野江奈)
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