アラビアのロレンスの世界へ(ヨルダン)
ユーラシア旅行社の「薔薇色のペトラと死海を楽しむ 8日間」から帰国しました。
今の時期はもう暑いのだろうな、と覚悟して現地入りをしましたが予想に反してさわやかな風がふき、過ごしやすい気候でした。ヨルダンの面積は北海道より少し大きい位です。国土の八割が砂漠なのでどこへ行っても砂だらけかと思われがちですが、少しドライブをすれば景色が変化に富んでいることに気が付きます。北へ行けば緑が豊富で、オリーブやブドウの木がたくさんあり緑豊かです。路上では旬の果物の真っ赤なイチゴが路上で売られていました。又、スイカももう出回っていました。中部には地球上でもっとも低い死海があり、南部にはごつごつとした岩山が砂漠の中に現れます。そしてヨルダン最南端のアカバは外海と接している場所で港とビーチがあります。アカバは国境が密集していてイスラエル、エジプトまで10キロほどしか距離がなく、サウジアラビアまでも26キロというのも興味深いです。現在も国内唯一の港として経済活動における重要な町となっていますが、そういった位置関係から、古代からの要所でした。一次大戦中のアラブ革命の際もオスマン帝国軍が占領していたアカバを英軍人ロレンス率いるアラブ軍が陥落させ、アラブ軍勢の転機となりました。
ロレンスつながりで今回は私のお気に入りの場所、ワディ・ラムをご紹介します。ここは昨年、世界遺産に登録された場所です。ヨルダンの南部に位置し、真っ赤な砂漠にごつごつの岩山が幅5キロ、長さ25キロ続きます。映画「アラビアのロレンス」の撮影地であり、実在した英軍人トマス・エドワード・ロレンスもここに本拠地を置き、ベドウィン達と15年間暮らしたそうです。
映画「アラビアのロレンス」は1962年に公開されたイギリス映画で第一次世界大戦下のオスマン帝国からのアラブ独立闘争を描いた歴史映画です。私は2年前位に見る機会がありました。50年前の映画なので映像も古いし、上映時間が207分とやたら長いのですが、いつしかピーター・オトゥール演じるロレンスと一緒に喜んだり、悲しんだりしていました。そのロレンスが住んでいた場所!行く前に映画を見ていくと楽しさ倍増は間違いありません。
今そのワディラムにはロレンスの物は何も残ってはいませんが、山や泉の名前に彼の名が付けられていました。アラブ人(ベドウィン)と同じように一緒に生活をして、彼らがロレンスのことを信頼し、慕っていたからその名が山や泉に付けられたのだとガイドが言っていました。ワディラムでは砂漠をジープでご案内します。すべて回るには半日では足りませんので今回は「ロレンスの泉」と「ハザリ峡谷」へご案内しました。昔からベドウィンが住み、アフリカ大陸やアラビア半島の隊商の通り道となっていたことを示す壁画などが見られました。そしてお勧めはハザリ峡谷の前の景色です。ここはワディラムの中で一番美しいと言われています。奥の砂の色がグラデーションになっていて本当に美しく、まさに「月の谷」と呼ばれる風景でした。きっと100年前もこの光景をロレンスも見ていたのでしょう。(名倉)
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コメント
一人だけ一眼レフカメラを持っていた者です。
先日のツアーでは大変お世話になりました。
念願のぺトラに行くことができ、大変満足な旅行でした。
また、名倉様の非常に丁寧な対応によりツアーも気分良く過ごすことができました。
参加前はしばらく旅行に行くことをやめようかと思いましたが、またどこかに行きたくなりHPを見ていたらこのBlogにたどりつきました。
また、機会がありましたらよろしくお願いします。
投稿: | 2012年5月24日 (木) 20時48分
ご参加ありがとうございました。
こちらこそ旅行中は大変お世話になりました。
またどこかの地でお会いできることを楽しみにしています。
投稿: 名倉 | 2012年6月 6日 (水) 10時42分