長寿のヒミツ!(コーカサス三国)
先日、「コーカサス三国への旅 13日間」の添乗より帰国いたしました。よく「コーカサス三国ってどこの国?ヨーグルトの有名なところでしょ!」という反応が多い地域でありますが、「コーカサス三国」とはアゼルバイジャン、グルジア、アルメニアの三か国を指します。大アララト山脈が横たわるこの地方には新鮮な空気と薬になるほど体に良い湧水が豊富にあります。そしてそんな自然環境の中で、今では世界中でお馴染みの果物が誕生しました。それがリンゴやブドウ、サクランボです。ブドウを発酵させて作られるワインは今やグルジアを代表する飲物ですが、実は世界で初めてワインを作ったのは旧約聖書に出てくるノアだったと言われています。ノアたちが乗った箱舟は、現在アルメニアとトルコにまたがるアララト山の山頂に乗り上げたと旧約聖書にも書かれています。
さて、古代から豊かな自然に育まれたこのコーカサス三国は「長寿の国」としても有名です。ほとんどの村には必ず100歳を超える人が住んでいるそうです。ちなみにアゼルバイジャンのガイドさんのおじいさんも106歳まで生きたそうで、これにはびっくりでした。「長生き」に欠かせない最も重要なもの、それは「食事」です。コーカサスを旅して気付いたことはとにかく野菜やフルーツをたくさん食べるということです。それもほとんどが生の自然の状態で。日本ではサラダには必ずドレッシングが付き物ですが、現地の人の味付けは塩程度、それもグルジアやアルメニアではよくキュウリが丸ごとの姿でテーブルに並べられました。はじめは驚いたものの、だんだん「懐かしい!子供の頃、こうやって丸かじりしたっけなぁ!」という反応も多く、日本の田舎を懐かしく思われる方も多かったようです。
そして香草をよく食べることも「長寿」のポイントです。アゼルバイジャンでお馴染みのサラダは香りの強いハーブ類やターメリックをふんだんに使った野草のサラダ。クセが少し強いので慣れるのに時間が掛かりましたが、その中でもお気に入りの味の香草を見つけたり、日本から持って行った調味料でアクセントを付けたりして楽しみました。でもこれが体にとてもいいのです。翌朝の目覚めがすっきり!体が浄化されたような気がします。一般家庭では香りの強い野草は煮たり焼いたりすることでより一層食材に風味が増し、塩分を控えられるということで毎日欠かせないものなのです。市場でも様々な種類のハーブが並び、地元の人は両手にどっさり抱えて帰って行きました。
最後に、長寿食として欠かせないもの、それが冒頭にも出てきたヨーグルト!今やコーカ
サスを代表する食べ物ですね。日本にもそれが持ち帰られ「カスピ海ヨーグルト」として一大ブームを巻き起こしました。コーカサスには各家庭で手作りされ、その味も様々。それぞれにおふくろの味があるんだとか。またそのまま食べるだけでなく立派な料理として食卓にのぼります。温かくして、香草や少し塩を加えたヨーグルトスープや名物ドルマやケバブにつけて頂くヨーグルトソースなど、お肉もさっぱりし相性抜群でした。また最近では医療の現場でもヨーグルトの持つ菌が注目され、患者の薬としても使われているそうです。
知られざるコーカサスの食。旅するだけでなんだか体も心も若返った気がします。おいしい食事と素朴な景色、そしてそこに佇む正教教会の塔、カラフルなタイルのイスラム建築、人懐こい人々に大自然・・・お腹いっぱい、コーカサス!(三橋)
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