2012年6月29日 (金)

小さな村の中世美術とおもてなしの心(フランス)

フランス、タヴァンのサンニコラ教会とバラ先日「サン・サヴァンと西フランスロマネスク」10日間の旅より帰国しました。
6月のフランスといえば、バラや藤などの花が咲き乱れ…と望んで行ったのですが
今年は北海からの風が湿った空気を毎日運んできて、
例年よりもp雨が多い滞在となりました。

とはいえ、偶然トゥールでロワール河に虹がかかるのを見たり、
雨上がりにしっとりとした様子のバラと教会がひときわ青空に美しかったり、
変わりやすいお天気だからこそ出会えた景色もありました。

フランス、サン・パリーズレ・シャテルのサン・パトリック教会クリプタこの旅行の主目的は、中世にヨーロッパで栄えたロマネスク美術の傑作を訪ねることです。
色々なテーマを持つ旅行がある中で、これほどツアーの性格がはっきりしているのも珍しいでしょう。
中世の芸術といえば、教会や修道院を飾っていたものですので、必然、訪問地はほとんど教会が修道院となる旅です。
今回のルートは、ボルドーからポワティエ、ブールジュ、トゥールを経てオルレアンへ…多くの日本人はロワール河沿いに点在する古城巡りを楽しむ地域の小さな教会を訪ねました。

ツアータイトルにもなっているサン・サヴァン教会など、世界遺産クラスのものも見ごたえ抜群なのですが、
ツアーで行く醍醐味は、やはり地方の小さな小さな村の教会に残る珠玉の芸術と出会えるということでしょう。
詳しいガイドブックなども少なく、まずどこに何があるのかの情報が入りにくい上に、
開閉館も流動的、場合によっては入り口の鍵を個人の方が管理していることもありますので、
個人旅で調べて回るのはとても大変なことなのです。

シャリヴォイ・ミロンの聖エロワ教会そんな背景もあり、大きなバスで日本人観光客がやって来ることも稀で
教会を見に来た私たちのほうが、村の人に囲まれて写真を撮られたりということも。
フランスという観光国の中で、未だこんなに素朴なところがあったんだなとしみじみ感じられるひと時です。

村の方も、日本人がわざわざ見に来た、ということで教会の話にも熱が入ります。
ブールジュの南にある小さなシャリヴォイ・ミロンの聖エロワ教会もそのひとつ。
シャリヴォイ・ミロンの聖エロワ教会 とてもよい保存状態のフレスコ画を前に、村の方々が熱心に解説してくれたこと、
お花やさくらんぼ、お菓子を振舞ってくれ、すっかり、田舎の親戚の家に遊びに来たときのような安心感を得られたのがとても印象に残っています。

午前中の通り雨も去り、6月らしい青空の下、
ステンドガラスを通して入ってくる柔らかな日の光
中世の優しい色の壁画
そして穏やかでフレンドリーな村の人たちと長閑な田舎の景色…

美術鑑賞以上に、心に贅沢をたくさん蓄えた旅でした。

山岸

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