2012年7月 3日 (火)

時を越えて満たされる、巡礼の道~ル・ピュイからサンティアゴへ~(フランス・スペイン)

Hashi

先日、「ル・ピュイから聖地サンティアゴへ 12日間」のツアーより戻りました。ヒースやエニシダをはじめ、色とりどりの花が巡礼路を彩る5月は、暑過ぎず寒すぎずという気候で巡礼路歩きにはうってつけのシーズン。聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指し歩く巡礼者達とは、西へ行けば行くほど出会う機会が多くなり、「ブエン・カミーノ!」と声を掛け合って互いの旅の安全と神のご加護を祈ります。私達も、数百キロと歩いてきた巡礼者の方に混じって、2回ほど巡礼路を歩きながらサンティアゴを目指しました。

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カトリックの三大聖地、そして聖ヤコブが眠る場所として、中世から巡礼者が押し寄せたと言われるサンティアゴ・デ・コンポステーラの町。どうしてサンティアゴを目指すのか?なぜサンティアゴなのか?その理由は人によって様々です。聖ヤコブに祈りを捧げたい、達成感を求めて旅に出たい、巡礼路沿いのロマネスク建築の教会を訪れ芸術に触れたい、北スペインの素朴な田舎の風景が見たい・・・などなど。約1000年の時を越えて今もなお、この「巡礼の道」は、人々を惹きつけてやまないひとつのテーマとなっています。今回のツアーでは、大きく分けて4つある、フランスを起点にする巡礼道の中でも、ル・ピュイの町を起点とする「ル・ピュイの道」をなぞりサンティアゴを目指しました。
この「ル・ピュイの道」でフランスからスペインへと繋がる巡礼路沿いには、10世紀頃から、教会と回廊、救護院、修道院が多く建てられました。その多くは、ずっしりとした石の重みが感じられる石壁と、それを支える技術が無かったために小さくなった窓と低い天井が特徴的な、ロマネスク様式で建てられています。分厚い石壁の間から漏れる、僅かな陽の光に照らされた彫刻の数々は、素朴であればあるほど魅力的です。日本の古いお寺のような佇まいに、思わず静かに目を閉じて瞑想したい・・そんな気持ちが湧いてきます。

Toma

そのロマネスク彫刻の中でも私が特に魅力を感じたのは、フランス側ではモワサックの「サン・ピエール修道院付属教会」、スペイン側ではブルゴス近郊、シロス村の「サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院」。どちらも付属の回廊に施された彫刻が素晴らしく、その保存状態の良さには驚かされます。モワサックの柱頭は、フランスで最も詩的な回廊と呼ばれ、76本の柱全てに異なる彫刻が施され、植物や神話の世界の動物、聖書のストーリーなどが、素晴らしい保存状態で残されています。サント・ドミンゴ・デ・シロスは、イスラムの影響を受けたムデハル様式の天井装飾、そして傑作と言われる旧約聖書のストーリー「トマの不信」はスペインでも随一と称されます。

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魅力をどこに感じるかは人それぞれ、行く目的も様々な、サンティアゴまでの巡礼路。でも、きっと誰もが、旅に出る前には想像できなかった美しい町の風景や人とのつながり、サンティアゴに辿り着いた達成感に溢れ、自然と心が満タンになることでしょう。中世の人たちと心をシンクロさせながら辿った巡礼路は、1000年を経て、今、より輝いているように見えます。(奥谷)

北スペイン・フランス巡礼の道のツアーはこちら

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