2012年7月 2日 (月)

ウィンブルドンの激闘

6月、ロンドンのクイーン・メアリー庭園には薔薇が咲き乱れる本日は共通テーマデー「思い出の試合」です。

2012年の英国は「ダイヤモンド・ジュビリー(エリザベス女王即位60周年)」の一連のイベントに続き、これからオリンピック、パラリンピックと話題に事欠きません。そして今、最も熱いのはウィンブルドンです!毎年、クイーン・メアリー庭園の薔薇が咲き乱れる6月、ロンドンの郊外のオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブで行われるグランドスラム(4大国際大会)の一つがウィンブルドンです。この時期のロンドンは雨が多いのですが、昨日は見事な快晴!男子シングルス3回戦・錦織選手vsデルポトロ選手の一戦をテレビでご覧になった方も多かったのではないでしょうか。残念ながら結果は3-6、6-7、1-6で敗れてしまいましたが、第2セットの錦織選手の追い上げは見事でした。ウィンブルドンで日本男子の3回戦進出は、1995年に8強入りした松岡修造以来で17年ぶりだったそうです。 

今年、女王即位60周年を記念して「エリザベス塔」と名を改めることになった時計塔(ビッグベン)ウィンブルドンといえば、今でも思い出すのは1996年のクルム伊達公子選手VS シュテフィ・グラフ選手(独)の激闘です。日本中が注目した理由はウィンブルドンの2ヶ月前、フェドカップ・有明コロシアムでの一戦があったからでしょう。グラフは当時世界ランク1位のトッププレーヤーで、伊達はグラフに過去6回対戦して一度も勝っていませんでした。それぞれ1セットずつ取ってむかえた第3セットでは、ともに譲らない一進一退のゲームとなり、見ているだけでドキドキしっぱなしでした。伊達がポイントを奪えば、グラフが奪い返す。まさに一進一退の攻防、10-10までもつれ込み、なんとか2ゲーム連取した伊達が、初めてグラフを破ったのです。3時間25分の激闘でした。
 そしてその2ヵ月後、両者が再戦を果たしたのが、夢の大舞台ウィンブルドンの準決勝でした。1996年7月4日、センターコートで行われたこの一戦。まず第1 セットはグラフが先取、第2セット最初の2ゲームもグラフが先取します。けれどここからが「粘り」の伊達。9度にわたる激しいデュースの応酬を制するなど、着実に追い上げて第2セットを勝ち取ります。第3セットは翌日に持ち越されました。翌日は青い空が広がる快晴。ウィンブルドンの芝が美しく輝く中、運命の第3セットがスタート。グラフは最初のサービスゲームをキープ、伊達も得意のライジングショットを決め、互角の戦いを展開します。この戦いはNHKが生中継を行いました。これは異例中の異例。五輪やサッカーW杯を除いて、NHKが定時のニュースを差し置いてスポーツの生中継を行ったのは極めて珍しいことでした。
 さてグラフに食い下がった伊達でしたが、世界ランク1位の「芝の女王」グラフは強かった。第3セットは6-3でグラフが決勝進出を勝ち取りました。ウィンブルドンのメインコートの観客は総立ちして、両者の健闘に惜しみない拍手を贈ったといわれています。(ちなみにグラフは翌日の決勝をストレートで勝ち抜き優勝しました。)あの死闘から16年。今年もウィンブルドンのコートに立った伊達選手は41歳。初戦敗退に終わったものの、そのチャレンジ精神には脱帽!憧れてしまいます。

 さてさて、今年のウィンブルドン。これから一週間は激闘が続き、女子シングルス決勝は7月7日(土)、男子シングルス決勝は7月8日(日)です。そして優勝者には、エリザベス女王の従弟でありクラブの会長でもあるケント公爵エドワード王子からトロフィーが授与されます。さすが120年以上の伝統と格式を持つウィンブルドンですね。(山崎)

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