初訪問!グルジア北部スワネティ地方の魅力
先日、「関空から行く コーカサス三国大周遊 15日間」の添乗より帰国いたしました。
本日は、この度、弊社の新たな訪問となりましたグルジア北部のスワネティ地方についてご紹介したいと思います。スワネティ地方は、コーカサス山脈の懐に拓けた豊か な山岳地方にあります。この地方を有名にしているのが、中世に建てられた塔の家で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。町のあちこちに、ニョキニョキと塔の家が建ち並ぶ光景は大変幻想的です。
しかし、桃源郷のような美しい光景とは裏腹に、この塔の家が造られた背景には大変恐ろしい習慣がありました。この地方に住む勇敢なスワン族は、「血の掟」と呼ばれる氏族間の復讐制度があり、家族の仲間が殺されると、復讐のため相手を殺害 するのです。そしてまた、その復讐で相手を殺害し…と、時にその戦いは、どちらか の一族が絶滅するまで続けられたほどに血生臭いものでした。その復讐から一族を守るために建てられたのが、この塔の家なのです。塔の家は5階建てから7階建てにまで及び、人だけでなく家畜も立て篭もることができ、数ヶ月間隠れ住むこともあったようです。
この習慣は、20世紀初頭まで続けられていました。もちろん、現在は禁止されたため、防衛用の塔としての役割は終わり、今は主として倉庫として転用されているようです。また、場所によっては崩壊して廃墟と化し、それが何ともいえぬ風情を生み出し観光客を楽しませています。
塔に接近してみると、薄く切り出した石を積上げて造られているのが分かります。壁は厚く厳重に造られていて、内部ははしごで行き来します。1階から2階には家 畜を、3階以上が住居となり、最上階には銃眼が設けられて見張り塔の役割を果たしていました。今でこそ、最上階からは塔が林立する見事な景観を楽しめますが、それは同時に、当時いかに争いが多い世の中だったかを象徴しています。
スワネティ地方には、あちこちに小さな村が点在していますが、その中で観光のハイライトは、ウシュグリ村です。中心地メスティアから、くねくねの山道を4WDで走ること3時間、ヨーロッパで一年中人々が生活している場所としては最高地点の標高2,300mに位置するウシュグリ村に到着します。
村には、現在50戸300人ほどが住んでいて、独自の文化、習慣、言語を守りながら生活しています。村は4,000m級のコーカサス山脈に四方を囲まれ、グルジア最高峰のシュハラ山(5,068m)が目前に迫ります。また、馬も牛も豚もところ構わず歩き回るのどかな光景
が印象的でした。ウシュグリ村では、馬が重要な交通手段。小学生くらいの小さな子供でも楽々と乗りこなしていて驚きました。また、この時期は一面の黄色や白、ピンク色の野花に囲まれる美しい季節です。
豊かで雄大な自然、桃源郷のように美しい景色、塔が立ち並ぶユニークな光景、澄んだ美味しい空気…。スワネティ地方の滞在は、グルジアの知られざる魅力に触れる忘れがたい滞在となりました。(兼井)
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