イスラエルの物価高と変わらぬ祈る姿
先日、ユーラシア旅行社の「聖地イスラエルを極める 9日間」より帰国しました。今回の現地ガイドさんは、イスラエルに嫁いだ日本人女性の方でした。その彼女からは、観光地の話はもちろんですが、普段の生活に関わる話も沢山聞かせていただきました。イスラエルといえば、イエスが現れた場所や、信仰心の篤いユダヤ人の姿など、宗教的なイメージが強く、もちろん観光はそういったものを多く見学しますが、それと同じくらいにガイドさんから聞ける日常的な話はとても印象的でした。それはきっと、イスラエルの暮らしぶりが、日本にいるとあまりイメージできないものだからかもしれません。
例えば、物価については日本よりも高いものも多いそうですが、日本車は関税率100%なので、ざっと計算すると、日本での価格の2倍でイスラエルでは販売されています。その影響で、どうしても日本車よりも韓国メーカーの車の方が多く売れているようです。また、ちょうど「i-Phone 5」の発売日だったのでスマートフォンの話題にもなり、日本での「i-Phone 5」の料金を伝えると、ガイドさんもドライバーも目が飛び出るほど驚いて、「お金を渡すから買ってきてほしい」とまで言われる始末。さて、イスラエルでスマートフォンはいくらするのでしょう?・・・あくまでも、ガイドさんやドライバーさんの話によるところですが、本体は少なくとも8万円ぐらい(i-Phone5なら恐らく10万円以上)、月々の使用料は最低でも1万円以上かかっているそうです。経済面でもきっとイスラエル特有の複雑な事情があるのかもしれません。
地中海沿岸の都市部を中心に、不動産の価格上昇も最近は深刻な問題となっているようです。アメリカなどの海外に住むユダヤ人達は、普段の住居とは別に、たとえ殆ど使わなくとも、イスラエルにも家を持ちたいと思う傾向があるようです。そういった人々が家を買う影響で競争率が上昇し、価格が高騰して、本当にイスラエルで暮らしたい人の手の届かない価格になりつつあります。
ユダヤ人男性と結婚されたガイドさんですが、もし将来子供が生まれたら、その子供はユダヤ人になるのでしょうか?・・・母親がユダヤ人なら子供は必ずユダヤ人になり、母親がユダヤ人でなければ、子供はユダヤ人でなくても構わない、という決まり事があります。また、エルサレム市内では、黒づくめの長袖の服や黒い帽子をいつも身につけている男性ユダヤ人の姿を頻繁に見かけますが、彼らはユダヤ人の中でも“正統派”に属する人々です。また、さらにその上には“超正統派”と呼ばれる人々もいます。信仰に篤い人々の生活を保障する国の制度もあり、税金が高いとガイドさんは話されましたが、そこには不満のようなものは感じられませんでした。
さて、信仰心の篤いユダヤ人の姿はやはりエルサレムで多く見かけました。普通の格好をしている人も多いですが、嘆きの壁やその周辺は“正統派”の黒づくめの男性の姿が大変多いです。嘆きの壁では、男性と女性は別々のスペースに仕切られて祈りをしますが、女性は少しでも至聖所に近づくため、地下のトンネルで熱心に祈っている人もいます。これは、トンネルツアー中に見かけました。一方、男性側の嘆きの壁は、雨の日でも濡れずに済む、洞窟スペースもあるのです。男性が嘆きの壁に近づく場合は、頭にちょこんと載せる「キッパ」という帽子を必ず用いなければなりません。ある方がガイドさんに質問をされました・・・髪が薄い人はどうやってキッパを留めるのですか?・・・キッパの裏に糊のようなペタッと張り付く素材があるそうですよ。(飯岡)
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