2012年11月 8日 (木)

さぁ、アメリカンミュージックの旅へ 

21_2 先日ユーラシア旅行社の「アメリカ東部・南部大縦断物語 16日間」の添乗より帰国しました。国道の木々が紅や黄色に色づく秋、普段の観光に彩を加え、一年のうちで特別なひとときとなりました。ツアーはボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアやワシントンDCの大都市から始まり、トーマス・ジェファーソンの邸宅が残るシャーロッツビルやウィリアムズバーグ、チャールストンといったイギリス植民地時代の街並みが色濃く残るコロニアルタウンを巡り、後半は南部のアトランタやナッシュビル、エルビス・プレスリーが暮らしたメンフィスやニューオリンズまで足を伸ばし東部・南部をじっくり巡る盛りだくさんの日程です。また広大なアメリカ大陸を陸路で走破(ボストン~ニューヨークはアムトラック鉄道を使います)!その走行距離は4,780kmにも及び、スケールの大きな旅でした。旅の前半のテーマが「アメリカ独立の歴史」であるとするならば、後半のテーマはずばり「アメリカンミュージック」。カントリー、ブルース、ジャズの発祥の地を訪ねます。

2_2 テネシーワルツで御馴染みのテネシー州ナッシュビルのライマン公会堂はカントリーミュージックの聖地。かつては、あのエルビス・プレスリーもここでコンサートをしました。ロックのイメージが強いエルビスですが、初め本人は「僕はカントリーの歌手だ!」と思いライマン公会堂で歌ったそうです。しかし、骨盤を動かすニュースタイルのダンスに戸惑った観客は拍手も忘れてしまう程あっけにとられてしまった、というエピソードが残っています。
カントリーミュージックはもともとイギリス、スイス、ドイツ系の白人が持ち込んだ音楽でした。彼らが土地を切り開くため西へ移動した際にぶつかった高いハードルがアパラチア山脈。彼らはその麓で開墾生活を始め、帰れない故郷をふり返った時の思いが音楽となり、哀愁漂うカントリーミュージックが生まれたのです。今回のツアーでもディナーコンサートにご案内させて頂きました。歌詞は英語でも、どことなく懐かしく聴き覚えのあるメロディー。みんなで口ずさみ、コンサートの後には心がほっこり、そんな時間を過ごすことができました。

Dscf0182_2 続いてはブルースの聖地メンフィスへ。かつて奴隷船に乗せられアフリカの地からはるばるこの新大陸へ連れてこられた黒人奴隷は、文化の証である民族楽器などの持ち込みでさえも許されず、家畜同様の扱いでした。彼らは巨大な綿花のプランテーションで労働を強いられ、夜になると農場の隅の小屋で仲間達と密会し、体と心の底からこみ上げてくる苦しみや悲しみを歌にしていました。そこから誕生したのがブルースです。つまり黒人奴隷の魂の叫び。現在のブルースはフルバンド構成になっていることが多く、少々ロック調ですが、パワフルな歌声はいつの時代も聞いている者の心を揺さぶります。また、メンフィスといえばロックの神様であるエルビス・プレスリーが13歳から亡くなるまで暮らした街でもあります。街中には数多くのエルビスの看板やデビューのきっかけになったサン・スタジオ、そして邸宅であるグレースランドがあり、エルビスファンにはたまらない聖地です。夜は賑やかなビールストリートを歩いてみるのも楽しみの一つ。ギラギラとネオンが輝き、軒を連ねたライブハウスからはブルースの調べが聞こえてきます。

Photo 旅の締めくくりに訪れたのは、言わずと知れたジャズ発祥の地、ニューオリンズ。南北戦争で敗れた南軍が使っていたコルネットやトロンボーンなどの楽器と、奴隷解放宣言を受け街に溢れた黒人たちとが出会い、生まれたジャズ。18世紀から19世紀にかけて、ニューオリンズは南部一の貿易港となり、多くの人々が集まる歓楽街となりました。そんな場所には音楽がつき物!ということで、それまでプランテーションを離れ失業していた黒人たちはジャズを通して働き口を見つけることができたのです。現在、多くのレストランやカフェ、お店が立ち並ぶフレンチクォーター地区には自由な表現で音楽を楽しむ人々で溢れています。まるで路上がコンサート会場!幸運にも今回、音楽プロモーションビデオの撮影にばったり遭遇することができました。街の人々も撮影隊もみんな一体となって音楽を楽しんでいる、活気溢れる瞬間でした。
日本の約25倍もの国土をもつアメリカ。グランドキャニオンやヨセミテ国立公園などの西部の大自然も良いけれど、今回の東部・南部の旅もとても深いものとなりました。独立戦争の舞台を巡り、人種差別、南北戦争の影の部分も訪ね、その土地の文化に触れることで、本やテレビでは知ることが出来なかった真のアメリカを体感できました。(三橋愛子)

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コメント

三橋愛子さんの添乗見聞録、とても楽しく読ませていただきました。カントリーは、60歳を越しましたがDolly Partonのフアンです。彼女は今でもナッシュビル郊外に自分の劇場を持ってる大姐御です。
 毎年11月の新宿Traditional Jazz Festival には2日間通います。
 勿論、高校時代にM.ミッチェル女史の本を読んで以来の南部好き。フランス・スペイン文化も大好き。
 ということで、今年9/27出発は不催行。
10/11は、所用でだめ。
 見聞録を見たせいばかりじゃないけど2013年は絶対行きます。

投稿: 佐藤克也 | 2012年11月18日 (日) 21時22分

佐藤克也様
コメントありがとうございます。
新宿でジャズのフェスティバルがあるんですね!興味深いです。
来年もアメリカ東部・南部を巡る旅を設定させて頂いております。本物のアメリカ音楽にたくさん触れられる旅でした。
是非ご参加お待ちしております。

投稿: 三橋愛子 | 2012年11月20日 (火) 12時55分

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