夜の博物館(ヴァチカン市国)
先日、ユーラシア旅行社の「イタリア歴史物語15日間」のツアーより帰国しました。
今年はミケランジェロがシスティーナ礼拝堂の天井画を1512年10月に完成させて500年、記念すべき年ということで特別日程でシスティーナ礼拝堂のあるヴァチカン博物館の貸切見学を行いました。弊社の4つのイタリアのツアーが集まって総勢80名ほどのお客様を二時間の貸切見学にご案内しました。この日案内をして下さったのはルネサンス美術に明るい多摩美術大学教授の松浦明弘氏です。
「夜の博物館を貸切」というフレーズだけでわくわくしてしまいますが、歴代ローマ教皇のコレクションが並ぶ、世界に名だたるヴァチカン博物館の貸切ですから、更に期待は高まります。貸切は閉館後の18時からでした。
18時ちょうど、ギイーッと博物館の大きな石の扉が開いて中に通されました。この日、私たちは昼間にもヴァチカン博物館を訪れており、予約がない個人客の入場を待つ長い列に圧倒され、館内も右を見ても左を見ても人・人・人!ヴァチカンが世界的な観光地というのを十二分に納得した後でしたので、人のいないシーンと静まりかえった博物館に興奮しないわけはありません。
セキュリティチェックを受け、警備員付きでいそいそとラファエロの間へ進みます。昼間は人でいっぱいで迷子にならないようにするだけで精一杯だったのですが、人のいない開けた視界で廊下にある美術品を見つつ歩くことができました。
ラファエロの「アテネの学堂」などを他の観光客の頭に邪魔されることなく鑑賞し、メインのシスティーナ礼拝堂へ移動しました。
システィーナ礼拝堂は現在も礼拝堂として使われており、ローマ教皇を選出する会議であるコンクラーヴェの会場でもある重要な礼拝堂です。お目当ては天才ミケランジェロの傑作、天井画です。昼間は満員電車のような礼拝堂内に嘘かのような静けさが広がります。貸切なので全員が礼拝堂の壁沿いに作られた観賞用の椅子にゆっくり座り、天才が500年も前に手がけた「アダムの創造」を始めとする作品を松浦先生の分かりやすいご案内とともにじっくりと鑑賞できました。
記念すべき年に記念すべき場所で贅沢な時間を過ごし、心地よい高揚感とともにヴァチカンを後にしました。(名倉)
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