サハラに残る芸術作品(アルジェリア)
サハラは今アフリカ大陸の3分の1を占めているが、はるか昔は緑の大地に覆われていた。しかし突然の気候変動により、雨量が少なく、砂漠化が進んできてしまった。岩絵にはその様子も読み取れるものがある。緑に覆われていた頃、ここには川がありワニやゾウといった今では考えられない動物も生息していた。次第に人間の狩猟技術も発展していき、馬を利用するようになる。しかし砂漠化と共に生活も変化せざるを得なくなった。そこでラクダが登場し、何千年も経った今でもベルベル人たちはラクダでの遊牧生活を送っている。
ただ「何千年も前にここには人々が生活をしていて・・・」といわれても想像はつかないが、実際に残された岩絵や線刻画を見ると、本当なのだと感激する。
今回のハイライトは『泣き牛』である。巨大な岩に彫り込まれた美しい線が意味するものは、緑のオアシスが砂漠化し、嘆き悲しむ牛と言われる。はたまたガイドによっては、3頭の牛の家族がいて、息子が首を切られその目からは涙が・・・それを見た母親も息子の死を悲しんでいるという説明もある。どちらにしても、この線刻画は素晴らしい作品だ。
旅を終える時に、ガイドがこう口にした。「今回の旅では、アルジェリアのほんの一部を訪れただけ。日本の6倍の面積を誇るこの国には、まだまだ皆さんの知らない多くの魅力がある。皆さんはアルジェリアという広大な花畑から、美しい花を1輪摘み取った。その1輪の花を日本へ持ち帰り、いつまでも大切にして欲しい」と。(内野)
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