2012年11月29日 (木)

砂漠の防衛都市ジェミラ(アルジェリア)

Jemira 先日、ユーラシア旅行社の「ビジット・アルジェリア8日間」のツアーより帰国しました。
アルジェリアには古代ローマ遺跡やタッシリ・ナジェールの岩絵、厳格なイスラム教徒が暮らすムザブの谷といった素晴らしい世界遺産があります。これらアルジェリアの世界遺産の一番の特徴は未だに観光地化されておらず、本来の姿が残っていることです。
そんな手付かずのアルジェリアの世界遺産の中で、私のイチ押し観光スポットは古代ローマのジェミラ遺跡。首都アルジェから東へ約380km、海岸からは約200km内陸に入った、標高900mの山間に突然現れたかのように孤立した遺跡です。
周辺を山々に囲まれた、朝の遺跡はピーンと張り詰めた冷気が漂っています。人っ子ひとりいない無人の古代遺跡を歩き始めました。

Street かつてこのアルジェリアを含めた北アフリカ一帯は「ローマの穀倉地」と呼ばれていました。その名残りは今でも遺跡周辺の丘陵地帯に広がる見渡す限りの小麦畑に見ることができます。古代にはこの豊かな穀倉地を狙って南の砂漠から遊牧民のトアレグ族が度々侵入を繰り返していました。ジェミラはこの豊かな穀倉地帯、ローマ帝国を守る最前線であり、防衛線上の砦として築かれました。続く長年の間には退役ローマ兵たちが入植し、やがては一つの町となりました。最盛期の人口は推定1万5千人。
遺跡からの出土品を展示した遺跡博物館には、コインや劇場のチケット代わりに使われたジェトン(コイン型)や陶器を繋いだ水道管、手術のメスやピンセット、装飾具や床面を飾っていた優雅なモザイクなどが残っています。また屋外のフォールム(市場跡)にはラテン語で古代町名「植民都市クイクルム」と刻まれた石版、儀式の様子を刻み込んだ神殿前の生贄台やモザイク破片の散ばるバジリカ、石畳に残る馬車の轍、石をくり貫いた市場の計量器や石造りの店舗カウンター、浴場の床面にはタコや魚をあしらったモザイクなど、当時の生活の痕跡がそのままの状態で残っています。本国イタリアにもローマ遺跡は数多くありますが、当時の人々の生活臭が色濃く残っているという点では、広大なローマ帝国域内と言えども、アルジェリアのジェミラ遺跡はピカイチです。

今とさほど変わらぬ生活スタイルをしていた古代ローマ人。
遠い遠い古代のローマ帝国の時代がより身近に感じられたジェミラ遺跡訪問でした。 (上田)

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