犠牲祭前のモロッコより
先日、ユーラシア旅行社の「フェズ・マラケシュ・エッサウィラ、憧れのモロッコへ 12日間」のツアーより帰国致しました。
今がベストシーズンのモロッコ。残暑が和らぎ、気候も心地よく、まさに観光日和の12日間でした。
このツアーでは、モロッコの5つの世界遺産を回り、それぞれの大都市では連泊もあるので、ゆっくりと街歩きを楽しめます。メディナと呼ばれる旧市街には、可愛らしい雑貨が並び、市場(スーク)では野菜に果物、肉にスパイス、何でも揃います。メディナに一歩足を踏み入れると感じる、何とも言えないエキゾッチクさが、モロッコ最大の魅力と言っても過言ではありません。
ツアーでは、訪問各都市のメディナを訪れますが、この時期のメディナのスークは、いつも以上に賑わいを見せます。
その理由は、イスラム教最大のお祭り、犠牲祭が近いため。アラビア語で「イード・アル・アドハー」と呼ばれる犠牲祭は、断食明けの祭りと並ぶイスラム教の二大祭の1つで、イスラム教の多くの国々で4日間に渡って行われます。この期間は、学校も仕事も休みになり、家族や親戚が集まって食事をして盛大に祝います。
犠牲祭では、神に感謝をして羊やヤギを捧げ、その肉を貧しい人たちにふるまうのが習わしです。私たちが訪れたのは、犠牲祭を1週間後に控えた時期のため、各地の家畜市場は、羊やヤギを買い求める大勢の人たちで混み合っていました。
犠牲祭の期間中、羊やヤギ1頭の相場は、日本円でおよそ2万円~6万円と、普段の3倍の値段になっています。そして、驚くことに、市場で買った羊やヤギは、家庭でさばかれます。そのさばき方や食す部位の順番も、宗教上の決まりに沿って行われるようです。
メディナでは、肉用のスパイスがいつも以上に多く並べられ、香ばしい匂いが漂っていました。
現地ガイドさんは、「来週からの犠牲祭が大変楽しみです。市場で買った羊の肉は、家族で頂いたあと、貧しい人に分けます。」と話していました。
各地の市場には、人々の宗教に対する熱い想いが溢れていました。(飯野)
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