仏陀生誕の地を訪ねて(ネパール、インド)
先日、「インド八大仏跡と三大仏教美術館 13日間」の添乗より帰国しました。
このツアーは、仏陀生誕の地ルンビニ、初説法の地サールナート、入滅の地クシナガルなど、生誕から入滅、降臨までの様々な事象にちなんだ八大仏跡の全てを辿ります。
八大仏教聖地のうち7つはインドにありますが、生誕の地ルンビニは、お隣の国ネパールにあります。現地の人々はパスポートも不要であり自由に行き来できますが、外国からの観光客は手続きが必要です。インドの国境を越えネパール側の国境はわずか100mほど。お客様はバスでそのままネパール側に入り、添乗員とガイドで手続きをします。まずはインド側で出国審査をし、その後ネパール側で入国審査をします。仏教聖地であるルンビニを目指すアジア諸国からの仏教徒の団体も多く、国境付近ではバスが込み合っていました。
無事審査を終えネパールに入っても、やはり国境付近ということもあってか、インドに似た街並みが広がっています。ネパールの女性も服インドの民族衣装であるサリーやパンジャビドレスを着るため、車窓から町を眺めていてもネパールに入ってきたという実感はさほどわかないかもしれません。しかし、インドとはまた少し異なった、ゆっくりとした穏やかな雰囲気が流れているような印象をうけました。
ルンビニは釈尊生誕の地。釈尊の母マーヤ夫人は、白象が体の中に入る夢をみて懐妊します。そして出産のため故郷に帰る途中に産気づき、沙羅樹に右手が触れたとき右脇から太子が誕生しました。後に偉大な人物となるゴーダマ・シッダールタが生まれたこの地には、マヤデヴィ寺院が建てられています。
アショーカ王は即位の後20年してからルンビニを訪れ参拝し、仏塔と僧院を建立しました。現在もアショーカ王の石柱と僧院跡が残っています。また、マーヤ婦人が沐浴をし、釈尊が産湯を浴びた池もあり、神聖な空気が流れていました。
マヤデヴィ寺院の裏には大きな菩提樹が植えられており、木の下では僧侶やスリランカ、タイなどの敬虔な仏教国から来た人々がお経を唱えながらお祈りをしています。この地から、後に世界を変える人物が誕生したことを思うと、なんともいえぬものがこみ上げてきました。
生誕の地、初説法の地、悟りを開いた地、成道の地、入滅の地… 仏陀の足跡辿りその地を踏み、彼の生涯に思いを馳せる… 仏陀が瞑想をした地で、瞑想をする。まるで夢のような時間でした。実際に訪れたからこそ得られる深い感動が、今でも心に残っています。 (中山)
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