イスラエルではチーズバーガーが食べられない!?~ユダヤ教の食事規制~
先日、ユーラシア旅行社の「ヨルダンの至宝ペトラと聖地エルサレム9日間」より帰国しました。
イスラエルやヨルダンと聞くと、「危険な所」とイメージされる方も少なくありません。実際、友人や家族に話すと、「そんな所、観光で行けるの?」と言われることも…。
しかし、実際に行ってみると、現地の方々がとてもフレンドリーで、穏やかな印象を受けます。治安の面でも、現在は安定しており、安心して観光を楽しむことが出来ました。
イスラエルとヨルダン、国境は接しているものの、文化も宗教も全く異なります。
今回は、イスラエルの中心的な宗教であるユダヤ教の大変興味深い戒律をご紹介します。
どんな民族や宗教にも、食事の際の礼儀作法の定めがありますが、ユダヤ教は何とも複雑!
それが「コシェル」という、旧約聖書に基づいて作られた食事規定。食べて良いもの・いけないもの、一緒に食べてはいけない食物の組み合わせ、動物の屠り方、調理法などに関する規定がこと細かに定められています。
今日はその中から主なものを少しだけご紹介します。
1、動物については、割れたひづめと反芻することが条件
牛や羊といった動物は食べてもいいのですが、豚、猪、ウサギ、ラクダなどは食べられません。(豚はひづめが割れているが、反芻しないので食べてはいけない。)
2、海や湖に住む生き物については、ひれと鱗のあることが条件
鰻やエビ、タコ、牡蠣、貝類、イカなどは食べてはいけません。これによると、所謂シーフードと言われる物は食べられないことになります。
3、肉と乳製品を一緒に食べることは禁止
イスラエルの旅行中は、食卓に並ぶ料理に注目すると大変面白いです。
朝食では、卵料理や牛乳が出るので、ベーコンやソーセージはありません。
夕食で肉料理が出た時は、クリームを使った美味しいケーキもなければ、食後のコーヒーにミルクを入れることも出来ません。
もちろんチーズバーガー、ハムがのったピザなどはコシェルに反するので食べられません。
ユダヤ教徒が75パーセント以上を占めるイスラエルでは、ほとんどのホテルやレストランで、コシェルを厳格に守っています。ホテルのスタッフによると、お皿は肉用と乳製品用に区別し、洗う時に水が他方に飛び散らないよう、洗い場にも境を作っているそうです。
シーフードやクリームシチューが好きな私には、上記の3点だけでも大変なのですが、他にもたくさんの決まりがあります。しかし、日本では決して経験することのできない貴重な異文化体験!イスラエルに向かう飛行機の機内食には、チキン、ビーフ、ベジタリアンに加え、ユダヤ教徒のためのコシェル食があります。私がイスラエルの添乗に行く時、イスラエルらしさを最初に感じる瞬間です。(飯野)
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