2013年3月 6日 (水)

国内旅行でも片道25時間半?!1,000kmの彼方、小笠原へ

おがさわら丸にて先日、ユーラシア旅行社の「世界自然遺産・小笠原への旅 6日間」ツアーより戻りました。

海底火山の噴火でできた小笠原諸島は大陸と繋がったことがなく、“東京都”でありながら本土からは約1,000kmも離れています。
飛行場がなく、唯一の上陸手段は“おがさわら丸”という船のみで、所要時間は片道25時間半!
今や、日本の裏側・ブラジルまでさえもこれほどはかからないのですから、気分はまるで海外旅行です。
船に乗っているだけでもその遠さを実感できるのですが、父島に到着した後にはさらに遠さを実感することとなりました。そのエピソードをいくつかご紹介します。

まずは買い物。
父島・二見港のそばに島のメインストリートがあるのですが、全長は500mほど。
食料品店・土産物店・飲食店が並ぶ村唯一の繁華街です。
食料品店はそれほど規模が大きくないスーパー、農協ぐらいでしょうか。
コンビニはありません。村の方の話によると、これらの食料品店に最も品物が充実するのはおがさわら丸入港日だそうです。
航空便がなく、この船が唯一本土と小笠原を結んでいるので、なるほど、食料品も船の入港に合わせて到着しているのです。
そのため、村の方々はこの入港日を心待ちされており、観光客もなるべく早いうちにスーパーへ向かうのだとか。
確かに、出港日に立ち寄ったスーパーは、なんとなく売り場の棚が寂しい気がしました。
これまで、24時間営業のスーパーやコンビニを当たり前に利用し、24時間稼働のATMで好きな時にお金をおろしていましたが、所変われば営まれている生活も異なることを実感。

おがさわら丸出航の様子次にテレビ。これにも小笠原ならではのエピソードが。
ホテルの女将さんに伺った話によると、本土と変わらないテレビ放送を見られるようになったのは1980年代に入ってからとのこと。
ドラマやバラエティ番組を見られないのはもちろんのこと、新聞も毎日届かないわけですから、最新ニュースを知る術は限られていたということです。さらに、テレビ放送を視聴できるようになっても、テレビ代というものを支払っていたそうで、NHK受信料しか知らない者としてはこれも驚きでした。
ちなみに、今は本土と同じく地デジ化されており、滞在中はいつものようにテレビを見ることができました。
テレビっ子の私としては、うれしい限りです。

最後に携帯電話。今はきちんと整備されていて、ドコモ・au・ソフトバンクは父島・母島でも利用できます。
ですが、本土に電話をしてみたところ、少しですがタイムラグがあるのです。
テレビの海外中継でよく起こる時差のようなものです。
同じ日本でもこういった現象が起こることに、小笠原の距離を感じずにはいられませんでした。

遠い遠い小笠原、船旅は少し疲れましたが、父島到着の間際にザトウクジラが出迎えてくれて、その疲れもどこへやら。また帰りは、小笠原の人々が港で盛大に見送って下さったのも素敵な思いでのひとつです。
飛行機は確かに便利ですが、船ならではの魅力も捨てがたいなぁと感じました。
ちなみに、今は1,000km離れている小笠原諸島ですが、フィリピンプレートとともに少しずつ移動を続けているそうです。遥か未来に、伊豆諸島や本土と繋がる日が来るのでしょうか・・・。(江間)

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