2013年3月14日 (木)

シルクロードからこぼれ落ちた富 (インド・ラジャスタン州)

先日、ユーラシア旅行社の「華麗なるラジャスタン紀行10日間」のツアーより帰国しました。
今回の旅行先は西部ラジャスタン州。
州内の地方都市を巡りながら、交易で財を成した豪商達の邸宅やマハラジャの立派な城砦や華麗な宮殿、そして庶民の生活臭漂う城下町などを歩いてきました。 

Mandawa_haveli_1北部のシェカワティ地方には、全盛期の19~20世紀初頭まで活躍したシルクロード商人達の「ハヴェリ」と呼ばれる邸宅が数多く残っています。この地域は一年を通じて乾燥しており、半砂漠地帯なので昔は農業もできず、これといった特産品もありません。今も数頭の牛やヤギを放牧しながら細々と生活を営む小さな町や村ばかり。外の世界にチャンスを見出した商人たちは香辛料や絹などの交易で財を成し、壁画で飾られた華麗な邸宅を競うように建てました。決して豊かではない、小さな田舎町に多くの館が建ち並ぶ景観は、なんだか不釣り合いな印象を受けます。

これらの豪邸に描かれた壁画は当初のまま、手付かずの状態で残っていまFatehpur_haveli2す。豪商の末裔が維持管理を行い、美しいまま保たれている邸宅から、民族博物館として活用されていたり、廃墟となった邸宅に地域住民が勝手に住みつき、水瓶や食器が散らばって、洗濯物がはためく生活臭漂う邸宅まで実にさまざま。バイクやポンコツ乗合バスの廃棄ガスにまみれ、通りに面した壁画の下部は牛が体を擦り付ける為に剥がれ落ち、建物自体も黒ずんで鄙びた感じは否めませんが、この手付かずの鄙びた感じが何ともいえない深い味わいを醸し出しています。

Mandawa_haveli3ハヴェリの壁画は風雨に晒され難い、中庭や軒下を中心に鮮やかな色合いがしっかりと残っています。当時高価であった青色の顔料インディゴなどが惜しげもなくふんだんに使われ、唐草模様、幾何学模様などのデザインは何処となく、イスラム様式の雰囲気を漂わせています。昔から人々の日常に溶け込んでいたヒンドゥー教の神々や神話画は神秘的な空気に満ち、ターバンを巻きカールさせた立派な髭を蓄えたインド人らしい豪商、優雅に踊る女性たちはマハラジャが威勢を振るっていた時代、古き良きインドを感じさせ、像やラクダの隊商を引き連れた商人や王侯貴族の姿はまるで江戸時代の参勤交代のようです。
20世紀初頭のステイタスシンボルであった自動車や鉄道に誇らしげに乗る豪商達の姿からも、かつての繁栄ぶりや活気、時代の勢いがヒシヒシと伝わってきます。

インドの片田舎にひっそりと残る、歴史遺産群。
インド愛好家、シルクロードが好きな方にはお勧めの穴場スポットです。
(上田) 

 

 

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