大炎上、バレンシアの火祭り(スペイン)
先日、ユーラシア旅行社のスペインの「マヨルカ島とバレンシアの火祭り 8日間」の添乗より帰国しました。
寒波の影響でまだ少し肌寒い気候ではありましたが、アーモンドの花も咲き、いよいよサマータイムを迎えようとしている時期でした。
今回まず訪れたのは地中海のバレアレス諸島最大の島マヨルカ島です。日本ではあまり馴染みのない島ですが、ヨーロッパでは古くからリゾート地として有名で、ショパンやその愛人のジョルジュ・サンドら著名人も訪れたことで知られています。ツアーでは世界遺産に登録されているトラムンタナ山脈の懐の町ソイエールまで木造のクラシックなローカル列車に揺られてガタゴト。そこからは地中海が眺められる道をバスで進んでバルデモサ村のカルトゥーハ修道院へ向かいます。この修道院には1838年の冬にショパンとジョルジュ・サンドが滞在した部屋も残されており、昔の生活に思いを馳せます。
飛行機に乗りマヨルカ島を後にスペイン第三の都市バレンシアへ。スペイン三大祭りの一つ「火祭り」の開催地です。火祭りの歴史は古く、3月19日のサン・ホセ(聖ヨセフ)の日に大工たちが駄作を持ちよって火にくべた習慣に由来していると言われます。17世紀頃になると燃やすものが木や紙で作られた張子人形となり、いつの日か現在のような、各地区で制作した芸術品を競い合うコンテストへと変わりました。
3月19日の一週間前からお祭りムードの旧市街では着々と準備がすすめられています。前夜祭に、聖母マリア教会の前にある巨大なマリア像へ花束を捧げる献花行列を見学しました。老若男女多くの人々が時代衣装を着て街中を行進し、沿道にはそれを温かく見守る人々でいっぱいでした。
そして迎えた翌日は火祭りフィナーレ当日。一年がかりで制作した張子人形を夜から深夜にかけて全て燃やします。張子人形の総数は700を超え、打ちあがる花火の数は数えきれないほど。街中であるにも関わらずバンバンと轟音をたてながら上がる花火や爆竹を見ていると「日本ではこんなこと絶対に許されないなぁ」と皆様。それにしても大迫力!10mの高さの巨大な張子人形が10分足らずで大炎上する様子を間近で見ながら、その場にいた地元の人と一緒に盛り上がりました。
火祭りの日の前日までスペイン全土に雨の天気予報が出ていたのですが、この2日間は見事に快晴。バレンシア市民の想いがかなったのかもしれません。
毎年恒例の火祭りは大成功に終わり、これからスペインは夏を迎えます。 (小畑)
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