小笠原に暮らす人々
例えば、ガイドさん。今回ご案内してくれた方2名はいずれも本土の(福島、群馬)ご出身の方でした。小笠原諸島は、第二次世界大戦時、戦局の悪化に伴いほとんどの島民が本土に強制疎開させられました。その後、本土で生活基盤ができ、島に戻らなかった人々も多く、継承されなかった文化もいくつかあるようです。今回お会いした島民の方の多くは「島が好きになって移住した」人々でした。ですから、沖縄のような方言も彫の深い顔立ちこそありませんでしたが、島に対する愛着を人一倍感じたような気がします。ガイドさんたちは、世界遺産に登録された後、「観光客の増加に伴いゴミが増えた」ことを指摘されないようにと清掃活動や固有植物を増やす活動に勤しんでいるそうです。また島の観光局の方達は「小笠原、率直にどうですか?」と熱心に観光客の声に熱心に耳を傾けている姿がとても印象的でした。それぞれが島を思って、考えて、行動できるなんて、素敵ですよね。
さて、最終日。小笠原名物の「お見送り」も、この時期はいつもと少し違います。島を離れる高校生を同級生や在校生が見送るのです。男の子たちは声を嗄らしながらエールを送り、女の子たちは手にポンポンを持ち力いっぱい手を振り続ける姿には、全くの第三者ながらこみ上げるものがあり、なんだか「また帰って来なくちゃなぁ…」という気にさえなってしまいました。海の観光の日お世話になった船長さんが、「若い奴らは絶対一度は島を出るべきだ。外で学んで、帰ってきたいやつは帰ってくればいい。」と仰っていました。同じ船に乗って都会へ出た若者たち、そして今回の旅で小笠原の魅力にとりつかれた人々、彼らによってこれから作り上げられていく小笠原の新しい自然と文化、歴史がとても楽しみに感じられました。(弥永)
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