2013年5月24日 (金)

チンパンジーとの距離はどのくらい?(ウガンダ・ルワンダ)

先日ユーラシア旅行社のウガンダ・ルワンダのツアーより帰国しました。
この旅に出発する前に本屋をブラブラしていたら、気になるタイトルの本を見つけました。
その名も、

「チンパンジーはいつか人間になるの?(偕成社)」

漠然と疑問に思っていたことが、そのまま本の題名になっていたので、何となく運命を感じ、手に取ってみました。

皆様もご存じの通り人間の祖先は猿です。
森の中に棲んでいた猿が草原のサバンナに出て二足歩行を始め、猿人になり、ヒトへと進化したことはよく知られています。

そして最も人間に近いと言われている類人猿の代表はチンパンジーです。
遺伝子レベルにおいて98%はヒトと共通していて、人間との違いはたったの2%。
その2%はコミュニケーション、つまり言語でやり取りができるかどうかだそうです。
そのたった2%を克服、進化することができれば、チンパンジーは人間になることができるかもしれない。

つい最近見たスリリングな映画、「猿の惑星」を思い出しました。
研究の為、檻の中で飼育されていた猿達(恐らくチンパンジー)は自分達の置かれている環境を日頃からじっと観察、学習しているが、一方の研究者達は彼らの知能レベルの高さに全く気付かない。
そして遂に優秀なリーダーに率いられた猿達が隙を突いて檻を破り、人間界で大暴れ・・・。

かなりリアルなストーリー展開であったので、映画を見た後に「もしかしたらアフリカの密林の奥深くに人知れず進化してヒトになりそうなチンパンジーがいるかも知れないぞ。」と思っていたのです。

さて、そんな訳で今回のウガンダのツアーでは彼らの実態を確かめるべく、アフリカの赤道直下の密林に棲むチンパンジーを探索してきました。
好物のイチジクの木を探し、落ちている食べ残しの実や糞を丹念に調べ、跡を辿ってゆきます。当然のことながら、ジャングルの中に我々が快適に歩くことのできる道はありません。
密生する茨を鉈で切り開いてかき分け、小川をジャブジャブ渡り、足元はすっかり泥んこまみれ。汗ダラダラ、体はクタクタになった頃にようやく無線にチンパンジー発見の報が入ってきました。

「ギャー、ギャオー。」
遠くから半ば興奮したようなチンパンジーの咆哮が密林に響き渡ります。もしかしたら人間の接近を警戒しているのかも知れません。

もうチンパンジーは近くにいる!

夢中で藪を突き進み、沼地を越え、必死でチンパンジーを追いかけます。
そしてレンジャーが無言で指をさした樹木の上方に目を凝らしてみると、何やら黒く毛むくじゃらの塊が枝から枝へ動いているではありませんか!!

Photo
そう、それは我々が探し求めていた、チンパンジーでした。
観察できたチンパンジーは2頭。
果物を求めて頻繁に樹上を移動してゆくチンパンジーはゆっくりとした動きではあったものの、あっという間に遠くの森の中へ消えていってしまいました。

ほんのわずかな時間でした。我々との距離は少し離れていたものの、枝をガサゴソ揺らし、悠々とした動作のチンパンジーからは、何にも縛られず、自由に森の中で日々を生き抜いている野性味がしっかりと伝わってきました。

そして当然のことながら、チンパンジーはやっぱりチンパンジーでした。
人間になるような気配はちっともありません。

その本によると、猿やチンパンジーの進化した先にヒトがいるのではなく、
「サル」という根幹を成す幹からオラウータンやゴリラ、チンパンジーやヒトはそれぞれ異なる方向に向かって進化の枝分かれをした結果、今はそれぞれの種が進化の最先端にいるそうです。

という訳で、過酷なジャングルの実地見分も含めた結論としては、
将来チンパンジーが学習を積み重ね、人間に進化することはないようです。
(上田)

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