北緯78度ってどんなとこ?(ノルウェー)
先日、「北極圏の美しい景色を極める旅」より帰国致しました。今回のツアーは、ノールカップ、スヴァルバール諸島、ロフォーテン諸島、世界一美しい“沿岸急行船”など、まさに北極圏を極める!といったツアータイトル通りの大自然を満喫するツアーでした。
そんな中でも、まだまだ日本人が訪れることが少ないのがスヴァルバール諸島。まず、スヴァルバール諸島という場所も、聞きなれない方も多いのではないかと思いますが、場所は、ノルウェーから海を挟んでさらに北に位置しています。スヴァルバール諸島の中心はスピッツベルゲン島・ロングヤールビェンという街で、何と北緯78度!ちなみに、北海道の最北端である宗谷岬は北緯45度31分、モスクワは北緯55度45分。いかにロングヤールビェンが北極点近くに位置しているかが分かります。
このスヴァルバール諸島の魅力は、何といっても大自然。氷河によって削られた地面が長い年月をかけて隆起し、現在では、見上げるほどの高い山々となって、我々の目を楽しませてくれました。他にもシロクマやクジラなどの動物たちも魅力的です。
日本ではまだまだあまり名前が知られておりませんが、実はこのスヴァルバール諸島は日本と密接な関係があります。「スヴァルバール条約」という国際条約が1920年に締結され、日本も加盟国のひとつ。条約では、スヴァルバール諸島をノルウェー領とすることが定められているものの、ノルウェーの法律が全ては適用されず、税率もノルウェー本土とは異なります。ちなみにノルウェーの軍隊も上陸できない非武装地域になっている。また、加盟国はこの島で経済活動を行う権利を持ち、我々日本人はいつでも北極圏で査証を取得せずに商売を始めることができるんです。
更に、このスピッツベルゲン島には我々のみならず、地球規模に関係することがあります。それは何か。実はこの島には、「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」といわれる、世界各地の植物の種子を約60万種も保存している貯蔵庫があります。この種子の保存数は現在も増え続けており、最終的には450万種を目標としているそうです。万が一、地球規模で突発的な気候変動や自然災害が発生してしまった際、栽培再開の機会を提供することが目的になっています。
貯蔵庫の内部はマイナス20度前後に保たれ、万が一停電などで冷却装置が停止してもマイナス4度が維持される環境になっており、核兵器による影響や、地球温暖化による海水面上昇の影響も受けない位置に建設されています。要は、地球規模で何かしらが発生したとしても、あまり影響を受けない位置にまで、このスピッツベルゲンは離れています。
このスピッツベルゲン島で体感できる大自然、夜も太陽が沈まない白夜、シロクマに道端で出逢えるかもしれない緊張感…。どれをとっても、ここでしか体験できないものばかり。人間の悩みは、この大自然に比べれば小さいなものなんだなぁと実感できるツアーでした。(吉村)
ノルウェーツアー一覧はこちら
| 固定リンク
「西欧・南欧情報」カテゴリの記事
- 素朴なシチリアを知る。名画の舞台チェファルーへ(2017.12.22)
- モナ・リザだけじゃない、ヴィンチ村のレオナルドさん(2017.12.20)
- バスクといえば美食だけ?(スペイン)(2017.12.14)
- トリュフ市は大賑わい!美食のピエモンテ州への旅(イタリア/トリノ)(2017.12.12)
- モンタルチーノでつぐみ祭!(イタリア)(2017.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント