ピレネー山脈の麓、氷河が生み出した絶景(スペイン)
6/27発「美しきピレネー山脈横断10日間」のツアーから帰国しました。 ピレネー山脈は長さ約430km、幅約100kmとフランスとスペイン国境にまたがっています。サンチャゴデコンポステラへの巡礼路のひとつには、ピレネー山脈越えのルートもありますし、歴史上でもケルト人からナポレオン、ハンニバルも山脈越えをしたり麓までやってきたりと昔から人々が往来する場所でもありました。 このツアーで訪れたフランスのガヴァルニー圏谷・トゥルモース圏谷、スペインのオルデサ国立公園は「ピレネー山脈-モンテ・ペルディド」という名称で世界遺産に 登録されている地域です。 この圏谷(カール)は、2万年以上昔にこの辺りを覆っていた氷河により削られて出来たU字谷ですが、同じように氷河の浸食により生み出された景観を持つ北欧やスイスとは雰囲気の異なる独特な景観を見ることがここではできました。
それはアイスクリームをスプーンでくりぬいたようだという説明がしっくりくるな、と甘いもの好きの私には見えるものでした。谷底に咲く美しい花々と緑、氷河と水や風の浸食により出来た岩壁に刻まれた溝と地層による色のグラデーションを眺めながら圏谷の最奥まで行き、目の前に屏風のようにそびえる岩壁に行きついたときは、ここまで歩いてきた達成感を強く感じさせてくれました。
今回のツアーでは、スペイン側のオルデサ国立公園で、終日ここにある圏谷の谷底をハイキングしました。谷底を流れる川沿いの道を最奥を目指して午前中かけて歩きました。
途中マイナスイオンを体感できそうな滝をいくつか通り過ぎ、左右には1000mもの岩壁がそびえ、谷底を歩いていることを実感させられ、途中ブナやシラカバの森の中を歩き、強い日差しから守られながら木々のトンネルを抜けると、再び青空のもとで花が咲き乱れる光景へと出ました。そして最奥地にたどり着くと屏風のような岩壁が平坦な道を遮るように目の前にそびえていることからハイキングの終着を告げ、ここから折り返して帰りました。このように変化に富んだハイキングを楽しみ、翌日にはこの光景を上から眺める5つの展望台を訪れます。この上下からの圏谷を楽しめるところが、このオルデサ国立公園の観光の最大の見所だと思いました。
自分が昨日歩いた場所をスタート地点からゴール(折り返し)地点までを上から一望できるというのはスイスや北イタリアのドロミテなど他欧州のハイキング地域ではそうそうになく、圏谷の大きさ(幅2.2km、谷底から展望所までの高さ1km)を実感でき感動する光景でした。
まだピレネー山脈麓の国立公園ハイキングは、知名度がスイスほどありませんが、この地域独特の光景と歩き甲斐のあるハイキングコースがあり、これからの注目すべき場所だと強く思わされました。(高橋)
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