グルジアからアルメニアへ、列車に揺られて夢心地 (ユーラシア旅行社のコーカサス三国ツアー)
先日、ユーラシア旅行社の「コーカサス三国夢紀行 9日間」の旅から帰国しました。
今回の旅では、コーカサス山脈の南側に位置するアゼルバイジャン、グルジア、アルメニアの3か国を巡りました。
この3か国は日本人にはあまり馴染みのない国ではないでしょうか。
一口にコーカサス三国と言っても、風土、民族、宗教、言語のすべてが異なります。それぞれが特徴を持っています。
アゼルバイジャンは「炎の国」。3000年も前から地下ガスが噴出しており、燃える山があります。
木も草もない岩山が燃えるとはなんだか不思議。
グルジアは「山の国」。コーカサス山脈の5000m級の山々に抱かれたカズベキ村を訪問しました。
今回は曇りがちな空模様だったのが残念でしたが、それでも迫りくる山々の迫力は十分。
森林限界を超えた山々はとても荒々しいのです。
そして3つ目のアルメニア。
この国の特徴は「キリスト教」です。ノアの方舟の伝説が残るアララット山の麓にあり、エレヴァンの街からも山の姿が望めます。
エレヴァン近郊にあるエチミアジン大聖堂には、ノアの方舟の木片と、磔刑にされたイエス・キリストの脇腹を刺した聖槍が収められています。
「それは本物なの?」と疑ってはいけません。
「信仰があれば、それはすべてが本物」と、ガイドのルシーネ女史が説明してくれました。
さて、今回の旅行で私にとって一番思い出深かった体験。
それは夜行寝台列車に乗ったことです。
グルジアの首都トビリシからアルメニアの首都エレヴァンまで、一晩かけて列車で旅をしました。
夜のトビリシ駅に車両が入って来た時は、なぜだか心がワクワク。
先頭車両がライトを眩しいほどに照らしながらゆっくりと走っていました。
17両を連結させているので、いかにも重そうです。
そしてホームに停車すると、車掌さんが降りてきました。
コンパートメントのチケットを確認していよいよ乗車です。
今回利用したのは、2等寝台。一つのコンパートメントに4台のベッドがあります。
各車両にトイレが設置されていて、車掌さんも一両に一人います。
この習慣は旧ソ連時代から変わりません。夜10時16分にトビリシを出発。車掌さんが洗い立てのリネンとミネラルウォーターを持ってきてくれました。
サービス精神があるとは言えないまでも、職務はきちんとこなしている、といった印象です。
ソ連崩壊直後に私がシベリア鉄道で会った車掌さんと比べれば、サービス十分と言えるかもしれません。
さて、乗客はまずはグルジアを出国する必要があります。
グルジアの出国管理員が車内にやってきてパスポートを回収。
出国スタンプを押すと、戻しにやってきてここは簡単に終了です。そして次はアルメニア入国。
深夜12時を過ぎた頃、車掌さんが寝入った私を起こしにやってきました。アイルムという駅で下車して、ホームの出入国管理室で入国審査です。
一人づつ査証を確認し、15分ほどでスムーズに乗客全員が入国完了。
そしてコンパートメントへ戻ると、エレヴァンまでは列車に揺られながら寝台ベッドでぐっすり。
翌朝7時20分、ほぼ定刻でエレヴァン駅に到着しました。
定時運行ができているとは、なかなか感心です。
それにしても朝日の差す駅に降り立つのはなんと気持ちが良いのでしょう。
列車は、旅気分を演出してくれるものなのかもしれません。
ちなみに私は“鉄道オタク”ではございません。念のため。(斎藤さ)
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