アルプスの国オーストリアの水事情
先日、ユーラシア旅行社の「オーストリア一周とウィーンの休日」10日間のツアーから帰国いたしました。近年ヨーロッパの夏は異常気象で35度を超す日もありますが、今回はちょうど暑さの谷間に当たり20度台、日本と違って湿度も低く、さわやかな山国を満喫してまいりました。
アルプス山岳道路のドライブでは標高が上がるにつれ風景が木々から草原、コケ類、石ころだらけの荒れ地へと変化し、最後には太古の昔から残るパステルツェ氷河に行きあたります。お天気もばっちり晴れ、富士山よりちょびっとだけ高いオーストリア最高峰、雪を頂くグロースグロックナーの優美な姿をおがむことができました。
さて、初めて海外旅行に行って日本人が驚くことのひとつは、水道水が直接飲めないこと。だがしかし!オーストリアでは一般の水道水としてアルプスの水を直接ひいていますので、蛇口をひねってたった数秒で冷たくおいしい水を飲むことができるのです。
観光中に行列を見つけて「何だ?何だ?」とのぞいてみると、そこにあったのは飲料水の無料スタンド。地元の通行人や観光客がペットボトルを持って列をつくっていました。日本の水と違って硬水なのでそのままガブガブ大量に飲むことはおすすめできませんが、この水で淹れたコーヒーはキリリとした後味で本当に美味しいです。
オーストリア、特にウィーンはカフェ文化が今に息づいていることで有名。なんでも生粋のウィーンっ子であれば自宅の居間代わりのお気に入りカフェをいくつか持っているものなんだとか。コーヒーの種類も多種多様で、「モカ」という濃いコーヒーやモカにミルクを少量入れた「ブラウナー」、泡立てたミルクを入れた「メランジェ」、泡立てた生クリームをのせた「アインシュペナー」、チェリーブランデーを入れた「フィアカー」にオレンジリキュールと生クリームの入った「マリア・テレジア」などなど、料理のメニューと見紛うばかりに分厚いドリンクメニューに仰天すること請け合いです。また、水に自信を持っているカフェでは、コーヒーを頼むと必ずコップ一杯の水がついてきます。
どれを頼んだとしても、美味しいオーストリアの水で淹れたコーヒーは薫り高く最高の味わい。テラス席に陣取って、つかの間のウィーンっ子気分に浸ってみてはいかがでしょうか。(三輪)
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