真っ平な平原の国ポーランドの似て非なる街々
先日ユーラシア旅行社の「ポーランド、歴史と美の物語 13日間」のツアーから帰国いたしました。国名の由来が平原や野原を表す“ポーラ”であるポーランド、どこまでも続く平原を生かした農業が盛んなこの国はちょうど秋の収穫シーズン最終盤、刈取りの終わった広大な農地や、今か今かと収穫を待つ畑が行く手に広がっていました。刈り入れが終われば冬の足音、道沿いに植えられた街路樹がほんのり黄色く色付きはじめている景色はとても印象的でした。
さて、お隣りのドイツや近くの大国フランス、オーストリアと比べると旅先としての知名度が今一つ?のポーランドですが、実は一度訪れると途端に心奪われファンになる方が多い国でもあります。穏やかで信仰心篤いポーランドの人々とのふれあいや野菜を多く使った日本人好みの美味しいお食事、カラフルで素朴なボレスワヴィェツ陶器やフォークロア雑貨などなど、ポーランドの魅力は観光地だけでなく生活に根差した所に隠れています。
土地が肥え、埋蔵資源も豊富なポーランドは昔から絶えず周囲の国々から狙われる土地でもありました。特に近代には18世紀のポーランド分割や第二次世界大戦時に国すら消滅したこともあります。取られたり取り返したりの歴史が影響しているのか、ポーランドの街はそれぞれ支配者の違う独特な経歴を持っており、平和になった今ではそれが旅行者を惹きつける魅力になっています。
たとえば首都ワルシャワは第二次世界大戦で壊滅的な被害をうけた後再建された街ですが市民の努力で戦前の様子を再現したため新しいのに昔風、ドイツ騎士団の砦が起源のトルンはプロイセンの支配下にあったためドイツ風、医者が保養地として推薦したことがきっかけで拓かれたザコパネは日本の軽井沢のような雰囲気で、港町グダニスクはハンザ同盟都市として繁栄したためゴシック・ルネサンス・バロックの豪邸が立ち並びつつ郊外には共産主義時代の無機質な建物が建つ二面性がいっそ新鮮といった具合です。
個人的なお気に入りはヴロツワフの街。スラブ人が移り住みドイツ人が町を建設、モンゴル、ボヘミア、オーストリアの支配の後、近代ドイツの街となり現在はポーランド随一の工業都市という複雑な街の歴史やそれを如実に表す建物群ももちろん見所ですが、この街の醍醐味は何と言っても妖精探しです!
ヴロツワフの街中には妖精が住んでいます。といってももちろん本物はそうそう見ることはできません、代わりにあるのが妖精の銅像、その数なんと200以上!しかも毎年約30体ずつ増殖しているというから探しがいがあります。バイク好きの司教さんの教会前にいる妖精や銀行前でATMを使っている妖精など、面白い銅像が続々見つかります。こんなに探しているのだからいつか本物も発見できるといいな、と思いつつ今回も目を皿のようにしてきました。(三輪)
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