2500年前の“ニューシティ”ナポリ(ユーラシア旅行社で行くイタリアツアー)
先日、ユーラシア旅行社の「南イタリア・シチリア・マルタ歴史物語」15日間の旅から帰国いたしました。ローマ時代の生活を今に伝えるポンペイや憧れのリゾート地アマルフィ、キノコ型の民家が立ち並ぶアルベロベッロ等、南イタリアの見所を巡ってからメッシーナ海峡をフェリーで渡ってシチリアへ。文明の十字路シチリアでは今年登録されたばかりの新世界遺産エトナ山を望むタオルミナに連泊、バロックの街ノートや陶器で装飾された大階段で名高いカルタジローネ等、見逃せない小さな街々を訪ねます。その後、飛行機でマルタ共和国へ入国し、騎士団の島でそぞろ歩き。今回はお天気に恵まれ毎日快晴!皆様のお目当てのひとつカプリ島“青の洞窟”にも入ることができました。入れるかどうかは天候次第、本当にラッキーでした。
さて、旅のスタートはローマ・ミラノに次ぐイタリア三番目の大都市ナポリから。紀元前6世紀にギリシャ植民都市としてはじまったこの街の名の由来はギリシャ語の“ネアポリス(新しい町)”。当時数キロ先にあった別の植民都市より新しいことから名付けられたのだそうです。ナポリ湾に面した風光明媚な景観を持つこの街は大昔から観光都市として名高く、イタリア語にはその美しさを称えた「ナポリを見てから死ね」との格言があるほど。中でも歴史好きな私のおすすめはナポリ考古学博物館。「考古博を見ずしてナポリを見たと言うなかれ」と言いたい位、充実した展示内容の博物館です。
もともと16世紀に兵舎学校として建てられた建物を改装してつくられた3フロアのこの考古学博物館にはポンペイとエルコラーノ出土の発掘品を中心に膨大な量の収蔵品がおさめられており、ゆっくり見て回ると1日あってもとても足りません。イッソスの戦いを描いた『アレキサンドロス大王のモザイク』やポンペイの邸宅で発見された『メナンドロスの喜劇のモザイク』・『踊る牧神像』、カラカラ浴場で発掘された彫刻『ファルネーゼのヘラクレス』などなど見所は館内各所に点在していますが、知識豊富なガイドさんと一緒に効率良く見学しますので安心でした。
また、そこまで有名ではありませんが個人的に是非見て頂きたいのはローマ皇帝ウェスパシアヌスの胸像。この皇帝、なんと世界で初めて公衆トイレを造らせた人物です。その収益でネロ帝以降悪化した帝国財政の健全化を目指した立派な皇帝ですが、政敵からはケチだと揶揄されたのだとか。因みにこの皇帝の名が転化した“ウェスパシアーノ”という単語は 現代イタリア語で男性用公衆トイレを意味します。
今回のツアーでは考古学博物館を見学後、徒歩で生活感溢れる通りを歩いてマジョルカ焼きのタイルが有名なサンタキアラ教会を訪ね、ローマ時代の道の上にある下町スパッカ・ナポリを散策しました。最後はバスでパノラマスポットのポジリポの丘へご案内。この日もお天気は完璧で、世界三大美港ナポリとヴェスヴィオ火山の美しい景色が心に残るツアーになりました。(三輪)
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