カンボジアの誇り・アンコール遺跡群(ユーラシア旅行社で行くアンコール遺跡群)
先日、ユーラシア旅行社の「アンコールア遺跡巡り6日間」のツアーより帰国いたしました。弊社では2003年から上智大学前学長であり、カンボジア、アンコール遺跡研究の第一人者である石澤良昭先生が現地同行解説する特別コースをご案内しており、今回のコースもその1つです。私にとっては5年ぶりの訪問で、シェムリアップの街並みは新しい建物や車が増えその変化に驚きましたが、訪問した遺跡は変わることなくどっしりとした構えで迎えてくれました。
ベストシーズンをむかえた常夏のカンボジアは、かなり暑いイメージがありますが、今年の暑さはそれほどではなく、現地の人や、現地滞在の日本人研究員の方などは長袖を重ね着しているほど。1月1日には早起きしてアンコールワットに初日の出を見に行きましたが、待っている間は寒く感じ、尖塔の右側に丸くオレンジの太陽がでた際はとても感動しました。
今回のツアーの特徴はなんといっても「石澤先生が同行して解説して頂ける」ことにあります。遺跡の要所での解説はもちろん、その時の時代背景や環境などについても詳しい説明があるので、遺跡の思いや理解がより深まります。また、バスの中でもお話を頂けたり、遺跡を知り尽くしている先生お薦めの写真スポットにも案内をして頂きました。
訪問した遺跡の1つ「バンテアイクデイ」は、上智大学アンコール遺跡国際調査団がカンボジア人の手でアンコール遺跡群の保存活動を支援するため、発掘研究を行っていたところで、2001年3月と8月に800年前の仏像274体を偶然発掘した遺跡です。その中には「千体仏石柱」という4面に1008の座仏が刻まれた仏教をモチーフ珍しいものもありました。
今でも周辺の村民が、自分たちで遺跡のメンテナンスや清掃活動をしている場所で、仏像が発掘された場所や様子、またその時のカンボジア人のエピソードなどを聞きながら、大木の下で元気に遊んでいる子供たちの様子をみると、とても心が温まりました。この遺跡に限らず、発掘されていない仏像は多くあるとのことで、いつの日かまた見つかる日がくるかもしれません。
掘り出された仏像は、研究所の敷地内に置かれていたとのことですが、それを見て気の毒に思われたイオンの岡田会長が支援してできた博物館が「シハヌークイオン博物館」です。その当時のお話なども石澤先生から説明がありました。実際にこの博物館も訪れ、その仏像に対面しましたが、ここに展示されるまでの説明を聞いているのでとても興味深いものでした。
アンコール遺跡群は、「アンコールワット」「アンコールトム」などの有名寺院を巡るだけでも思い出に残る観光になりますが、今回はそこに石澤先生の解説が加わったことで、先生のアンコール遺跡や地元のカンボジア人への思いや、そのつながりを聞いて、遺跡の保護の在り方についても考えさせられました。
国旗に「アンコールワット」が描かれるように、カンボジアにとっての誇りであるこの遺跡群を、カンボジア人が自分たちの手で保護できるように支援をしていくという姿勢にはとても共感ができます。
青空の下、大きな木や石の建造物に囲まれて石澤先生の解説を聞きながら、当時の遺跡の繁栄ぶりを想像する時間。
遺跡の調査、謎の解明には、多くの情熱と忍耐が必要であると感じるとともに、先生の優しい思いに触れて、とても充実したアンコール遺跡群を巡る旅になりました。(加藤)
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