2014年1月23日 (木)

祈りの島、長崎・五島列島で教会巡り(ユーラシア旅行社で行く五島列島ツアー)

クリスマスイルミネーションに輝く青砂ヶ浦教会先日、ユーラシア旅行社の「最果ての島、クリスマスイルミネーションに輝く五島列島巡礼の旅」より戻りました。長崎の西に浮かぶ約140の島々からなる五島列島は、下五島と呼ばれる福江島・久賀島・奈留島、上五島と呼ばれる若松島・中通島の5島が中心となっています。島々には1560年代に広がったキリスト教文化が今も息づき、約250年間の禁教時代を乗り越えて明治6年以降に建てられた教会が50程残されています。
本土にももちろん教会がありますが、なんとなく「特別な場所・空間」という印象がしませんか?一方、五島を訪ねてみると、日本では馴染みがあるけれども世界的には珍しい木造教会、反対に日本では当時珍しかったであろう石造りの教会、煉瓦造りの教会等々が島の自然と人々の生活に溶けこんでおり、その印象は本土ではあまり感じることのない独特なものでした。

中ノ浦教会は五島の象徴・椿の装飾が印象的木造教会の中の雰囲気は特に、ヨーロッパのものとは違いました。恐らくそれは木の温もりが感じさせたのかもしれません。ゴシック建築を象徴するリブ・ヴォールト天井も木の柱と漆喰で構成されていて、柱の色や模様がグラデーションになっていたのがとても印象的。ですが、これ以上に印象に残ったのは教会内に施された装飾でした。
それは中通島で中ノ浦教会を訪れた時のこと。中に足を踏み入れると同時に、壁に描かれた真っ赤な花模様が目に飛び込んできました。その花は椿。椿は伊豆諸島の大島が有名ですが、五島も大島に匹敵する名産地。某大手化粧品メーカー所有の椿園もあり、採取される椿油が製品に利用されているほどです。石造りの頭ヶ島教会にも白い椿のモチーフが施されており、別の教会ではステンドグラスのデザインにもなっていました。五島の教会はどれも信徒さん達が造り上げたもの。彼らの大切な祈りの場所に五島の象徴である椿がデザインされているところに、島と信仰への深い想いを感じられました。
今回訪れたのはクリスマスを前にした12月上旬ということで、夜の教会はこの時期限定のイルミネーションに彩られていました。これも信徒さん達の手によるものだそうで、なくてはならない信仰の場を大切にしていることも感じられました。

ツアーで訪れた頭ヶ島教会をはじめ、長崎県内にあるキリスト教関連施設は「ユネスコ世界遺産暫定リスト」に登録されています。近い将来、正式に世界遺産登録される日も近いかもしれません。登録が叶って多くの人々に五島を知ってもらいたいと思うと同時に、現在の景観と静かな佇まいが失われてしまわないことも願うばかりです。(江間)

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