2014年4月 2日 (水)

【自給自足で暮らす、東南アジア・山岳地帯の少数民族】

 この度、ユーラシア旅行社の「東南アジア、少数民族物語 16日間」の旅より帰国しました。
 ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナムの4か国。各国とも都市では近代化が進んでいますが、今回の旅では都市から離れた辺鄙な場所で暮らす少数民族を訪ねてまわりました。
 今日は、ツアー中に出会った少数民族の一部とその暮らしぶりを伝えしたいと思います。

 【1か国目・ミャンマー】

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 ツアーの最初は、ヤンゴンから飛行機で約3時間の小さな田舎町、チャイントンを訪問。中国やラオスとの国境近くのチャイントンの町の周辺にはアカ族、アク族、エン族など、様々な少数民族が暮らす村が点在しています。
 アク族のおばさんは黒っぽい民族衣装を身に着けて、竹で作ったキセルをくわえています。村の男性は近くにある田んぼや畑で米や作物を作って暮らしていますが、女性たちは少数民族の暮らしを見ようとやってくる観光客達に作ったアクセサリーなどを売って現金収入を得ています。その辺で拾ってきたような竹で作ったキセルですら2ドルで売れていたので、少数民族であるという事は強いなぁと思いました。

 【2か国目・タイ】

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 タイで訪れたのは北部のチェンライ近く、いくつかの少数民族が一緒に暮らす観光村です。広い敷地の中に民族ごとの集落があり、アカ族、ヤオ族、ラフ族、そして首長族として有名なパドゥン族が暮らしています。パドゥン族は本来、山奥で暮らしている民族ですが、数名の女性たちが数年ごとに入れ替わり、出稼ぎのような形でここで生活をしています。仕事内容は主にモデル。織物などしている姿を観光客に見せて写真を取ったり、民芸品を売ったりしています。
 契約期間の間、一歩も村からでないそうで、村の中には学校もありました。病気になった場合はお医者様が村に来るそうです。
 重い首輪や足輪を着けて暮らしている彼女たち。故郷から遠く離れた観光村で楽な仕事をして暮らすのと、山奥で家族や友人と一緒にキツイ畑仕事をして暮らすのとどっちがいいか考えたりするのかなぁ?と思ってしまいました。

 【3か国目・ラオス】
 ラオスでは少数民族が多く暮らしているという北部のムアンシンまで行きました。民族衣装を着ている人が減っているので、一目見ただけでは少数民族とは分からなくなっています。それぞれの村ではフォーや織物、ラオラオというお酒などを作って暮らしていました。

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 今回ラオスでよく目にしたのは「焼け焦げた山」。ちょうど焼畑シーズンでした。
 ラオスの80%の人は農村部に住んでいて、その内の25%は焼畑に従事しているそうです。
環境破壊の原因となる焼畑ですが、山間部で暮らす少数民族にとっては大切な食糧生産手段。政府は焼畑撲滅政策などを打ち立てたこともあるようですが、少数民族の文化や宗教とも関わってくる上に、伝統的な暮らしを変える事への抵抗などもあり難しいようです。

 【4か国目・ベトナム】
 中国との国境に近い避暑地サパ周辺に伝統的な民族衣装を身に着けて暮らしている少数民族の村がたくさんあります。山岳地帯なので棚田がとても綺麗でした。ちょうど田植えシーズンなので、まだ何もない畑、水を張った畑、苗を植えた緑の畑などが見られました。
ターフィン村にバスが到着すると我先にと駆け寄ってくる赤ザオ族の売り子達。どの人を自分のお客様(カモ)にするか目星をつけています。
 ターゲットがバスを降りるとおしゃべりしながらずっとついて来て、何も買わない人だとわかるとすぐに諦めて別のターゲットに移ります。

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 中には流暢な英語を話す売り子さんもいます。「旦那のトウモロコシ畑だけではとてもやっていけない。私の独学で勉強したこの英語のおかげで娘を学校に行かせる事が出来るのよ!」と自慢気に話していました。

 今回紹介したのはほんの一部です。自分たちの民族に誇りを持って伝統的な暮らしを守る人がいれば少数民族の村を出て町で近代的な暮らしをしたがる人もいます。
 4か国を巡ってたくさんの少数民族を訪ねる事で時代とともに変わってゆく人々の暮らしを実感できました。(関根三恵子)

少数民族ツアーはこちら

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