年に一度の、バレンシアの火祭りへ (ユーラシア旅行社で行くスペインツアー)
先日、ユーラシア旅行社企画、3月9日発「スペイン歴史物語 15日間」のツアーより帰国致しました。 ドン・キホーテが駆け抜けたラ・マンチャの地や、情熱の女カルメンを生んだアンダルシア地方。様々な顔を持つスペインに、毎日胸が高鳴る15日間でした。
とても一度では見切れないほどの魅力を持つスペインですが、今回の目玉はなんといっても「サン・ホセの火祭り」。毎年3月14日から19日の間に、バレンシアで行われます。お祭りの期間、町中が人形で飾り付けられ、最終日にはなんとその人形を燃やしてしまうのです。
「サン・ホセ」とはイエス・キリストの父、聖ヨセフのこと。聖ヨセフの職業が大工だったため、昔から大工達に守護聖人として崇められてきました。最初は3月19日のサン・ホセの日に、古い材木や木屑などを燃やして大きな焚き火をするだけだったそうですが、ある年、張子の人形を火の中に投げ入れたのがきっかけとなり、現在のお祭りが誕生したのだとか。
今回夕方に到着した私たちは、ホテルに荷物を置いてから、燃やされる前の人形を見に街の中を散策にでかけました。街を歩いているとふとでくわす人形たちに、ちょっとした宝探しの気分。各団体によって1年もかけて作られるという人形たちは、自分より小さいものから、見上げるような高さのものまで大小様々。
それぞれがユニークで、細部まで作り込んであり、ずっと眺めていても飽きません。この人形たちを燃やしてしまうなんて、なんだかもったいないような気もします。
さ22時、夜もすっかり更けたころ、いよいよ祭りのフィナーレが始まりました。小さい人形から順に燃やしていきます。人形の周りに爆竹を巻き付け、点火!
火はあれよあれよと黒い煙をあげて人形を包み込みます。点火されるまでは身を乗り出して待っていましたが、いざ火が付くと思わず後ずさってしまうほどの熱さでした。メインの市庁舎広場に置かれた一番大きな人形が燃やされたのは午前1時。目がくらむような花火が何発も打ち上げられ、大盛り上がりでお祭りは幕を閉じました。ホテルまでの道のり、あちこちに残る人形たちの燃えカスを見て、祭りが終わってしまったことを実感しました。なんだか寂しい気がしますが、地元の人たちにはそんな暇はありません。なぜなら明日からまた、来年のお祭りの準備が始まるのですから。 (佐藤)
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