ユダヤ教の祭日“過ぎ越し祭”(ユーラシア旅行社で行くイスラエルツアー)
人口の75パーセントがユダヤ教徒のイスラエル。様々な場所で宗教を感じる瞬間がありました。今回のツアーでは、ユダヤ教の祭日“過ぎ越し祭”にあたりました。ヘブライ語でPesaḥ(ペサハ)と呼ばれる祭日。ユダヤ暦のニサン月14日の夜(太陽暦の3月か4月)に始まり7日間続きます。今回は4月14日の日没から21日の日没まで。エジプト人の奴隷であったユダヤ人の先祖が,モーセに率いられてエジプトを脱出したとき,神はエジプト中の初子(ういご)を殺したが,小羊の血を2本の柱と鴨居に塗ったイスラエル人の家だけは過ぎ越したという故事に由来します。
過越祭は家族とともに過ごす大切な日です。最初の2日間に家族で集まり、セーダーと呼ばれる特別なごちそうを食べるのが伝統となっています。セーダーとは過越しを象徴する食べ物に満ちた、お祝いの食事です。ユダヤ教の教典を読み、伝統的なセーダーの食事をしながら、ユダヤ人は奴隷として苦労をした祖先に思いを馳せ、彼らがエジプトから解放されたことを祝います。パン種を用いずに焼かれたマツォットと呼ばれるクラッカーのようなパンを食べること、そしてイーストなどのパン種を用いた食べ物は一切食べないことが、過越祭の2つの掟となっています。このパンを食べるのは、ユダヤ人がエジプトを脱出した時、時間がなくて普通のパンを食べることが出来なかったことに由来しています。
ユダヤ人の家庭では過ぎ越し祭の期間中家にパンやビールなどの発酵麦を使用した食料を置いておくことは出来ないのでお祭りの前には誰かに差し上げるか寄付するかをして処分し、どこかに残っていないか確認のため家中を掃除します。これは新年を迎えるために日本で年末に行う大掃除と似た所があります。パン類はどんどん膨らむ性質を持っているところから高慢や偽善の象徴とされており、この大掃除はこうした内面の「悪」を掃除をする意味もあると言われています。
そのため、街中では、黒スーツを纏ったユダヤ教の人々が食糧の買い出しに出ていくのを多く見かけました。またこの時期のイスラエルのホテルでは、イースト菌を用いたパンや発酵麦を使用するビールが提供されませんでした。
無宗教徒の多い日本ではイメージしにくいイスラエルのユダヤ教徒の暮らしぶりに驚愕の9日間でした。(中嶌)
| 固定リンク
「中近東・北アフリカ情報」カテゴリの記事
- 技術の高さに感動の連続!イランの“古代のダム”へ(2017.12.19)
- 総面積四国の約半分!小さい島ながら歴史がつまった魅力あふれるキプロス島へ(2017.10.11)
- 3年ぶりの訪問!豊かな大自然と伝説の地へ(東トルコ)(2017.07.12)
- ツアー再開!4年振りにアルジェリアへ(2017.05.12)
- イランの新たな世界遺産を訪ねて(2017.04.06)
コメント