灼熱の砂漠!タクラマカンの住人(ユーラシア旅行社で行くシルクロードのツアー)
先日、ユーラシア旅行社のツアーで、「シルクロード列車、天山越え、タクラマカン砂漠縦断15日間」のツアーより帰国しました。
かつてシルクロードを往来したラクダの隊商が立ち寄り、交易で大いに賑わったトルファンやクチャ、ホータン、カシュガルなどのオアシス都市を巡る日程です。これらの都市は、ちょうどタクラマカン砂漠の淵をぐるりと囲むように、点在しています。さらにその外輪には、天山山脈や崑崙山脈といった雪山が聳えています。
実際に訪れてみると、どの町も山脈から流れ出る豊富な水の恩恵に恵まれており、以外にも農業が非常に盛んで、砂漠の乾燥地にポツンと浮かぶ小島のようなオアシス都市でありながら、バザールには各地から運ばれてきた新鮮な野菜、みずみずしい果物、豊かな穀物や木の実が溢れています。
今回のツアーで最も強烈な印象として残ったのは、タクラマカン砂漠公路でした。
タクラマカン砂漠の北部クチャから出発して砂漠を縦断し、南部のニヤまで約700キロをバスで移動します。
途中、大砂丘地帯を貫く道路の区間は、何と446キロ。
この砂漠を一直線に走る道路は、地下深くに眠る石油を運び出す為に建設が始まり、1995年3月に開通しました。
風により地形が変化し続ける砂丘にアスファルト道路を建設することが、どんなに難工事であったかは、素人でも容易に想像できます。
どれほどの莫大な費用と時間をかけたのでしょうか?
このタクラマカン砂漠を縦断する公路を走った当日はあいにく砂嵐が吹き荒れていました。
細かな茶色の砂が舞い、寸分先も細かな茶色の砂で全く見えない瞬間が何回もありました。せっかく完成した立派なアスファルト道路も放っておけば、強烈な砂嵐であっという間に砂に埋もれてしまいます。
中国政府はこの道路を維持管理する為に、ナツメやタマリスク、紅柳といった乾燥に強い砂漠の植物を防砂林として植林しました。
更にこの防砂林をより大きく成長させる為に散水する地下水を汲みあげるポンプ小屋を道路沿い2キロごとに建て、そこに管理人を住まわせ、道路と防砂林の管理をしています。
500キロ近い区間に81棟ものポンプ小屋が点在し、その一つ一つに管理人が住みこんでいるのです。
砂漠以外、何も見えない。何もない不毛の地。
夏は熱波にさらされ、冬は雪交じりの氷点下になる厳しい気候。
砂で埋もれそうなタクラマカン公路に立ってみました。
万里の長城やエジプトの巨大ピラミッドと似たような、壮大なスケール感があります。
長い歴史を通じて、世界で無数にある道路の中でも、最も建設と維持管理が大変な道かも知れません。
今僕が立っている足元、何千メートルの地下には石油が埋まっているのかも知れません。
足元のひび割れたアスファルトの道路から、中国政府の国を挙げての強い執念と固い意志がひしひしと伝わってきました。(上田)
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