2014年10月 7日 (火)

三国ともユーロ導入へ!ロシアからの真の独立を目指すバルト三国

先日、ユーラシア旅行社の「バルト三国古都巡りとクルシュー砂州 8日間」のツアーより帰国しました。

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このツアーは中世の街並みが残っており、激動の時代に巻き込まれ続けた3国の首都を巡るだけでなく、紀元前3000年前に出来上がったクルシュー砂州も訪れます。暑すぎず、寒すぎず街を歩くにはとても気持ちが良い気候の中で文化と自然の両面で満喫できたツアーとなりました。

1991年、ソ連からの独立を果たしたが、ドイツ・ポーランド・ロシアの領土争いに常に巻き込まれたバルト三国。1989年8月23日にリトアニアの首都ヴィリニュスからエストニアのタリンまで約600km間を人々が手を繋ぎ世界に独立訴えた「人間の鎖」は記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。「人間の鎖」は最終的にソ連共和党の権威を弱めソ連崩壊につながりました。今回のツアーでは「人間の鎖」が繋がれた道のりに沿うようにリトアニア、ラトビア、エストニアを駆け抜けましたが、至る所で各国の自由への思いと独立を勝ち取った歴史を実感しました。

その一例が、統一通貨ユーロのデザインです。

1991年にソ連から自由を勝ち取り、2004年5月にEUに加盟した三国では、2011年にエストニアがユーロに移行し、今年にはラトビアがユーロを導入。2015年にはリトアニアもユーロ導入することが決まっています。

硬貨の各国面のデザインには民族運動を経て悲願の思いでソ連からの独立を勝ち取った、各国の自由への思いとアイデンティティーが垣間見えます。そのデザインとは、エストニアは自国の地図。ラトビアでは国民の「母国に対する愛」、「自由の探求」、「自国への誇り」を象徴する民族衣装を身にまとったミルダと呼ばれる「乙女の肖像」。来年1月よりユーロが導入されるリトアニアでは2ユーロ硬貨の外縁にはリトアニア語でLAISVĖ(自由)、VIENYBĖ(統一)、GEROVĖ(幸福) の文字が刻まれるそうです。

徐々にロシアからの脱却を目指していますが、まだまだエネルギーに関してはロシアに依存せざる負えない状況が続いています。リトアニアではチェルノブイリ原発と同じ機材を使用していたビサギナス原発を、安全の観点からEU加盟と引き換えに閉鎖せざる負えなくなったため現在でも自国のエネルギーの約80%をロシアに依存しています。ソ連による支配からの脱却を目指すための選択肢が、ロシアによる新たな支配を招くという皮肉に陥ったリトアニアでは、ついに今年7月に日立と政府との間で原発協議開始が発表されました。ラトビアとエストニアも共同出資して依頼して10年後の稼働を目標にし、エネルギー依存においてもロシアからの完全独立を果たすための歴史的案件になると期待されているそうです。


「バルト三国には帝政ロシアやソ連時代に建てられたロシア正教会や建築物が数多くあるが、圧政をされた歴史の象徴でもあるため複雑な思いをしている」というガイドの言葉がとても印象的だった今回のツアー。バルト三国の求める「ロシアからの真の独立」はいつになるのか今後もバルト三国から目が離せません。(三浦)

>>>ユーラシア旅行社で行くバルト三国のツアーの魅力はこちら

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