和洋折衷の教会の妙、祈りの島・五島列島で信仰に触れる(ユーラシア旅行社で行く日本ツアー)
先日、ユーラシア旅行社の「五島列島巡礼の旅」に行ってきました。五島列島は、九州は長崎から西沖に浮かぶ島々。佐世保から高速船で約1時間20分ほどのところにあります。
五島列島での見どころは、教会群です。島内には約50もの教会が点在し、その中でも明治末期から昭和初期に建築された歴史的価値ある教会が、今に姿を残しています。明治初期に禁教令が解かれた後、活躍した建築家が五島出身の鉄川与助です。大工の棟梁の家に生まれた鉄川氏は、布教にやってきた宣教師の下で建築を学び、日本の風土に合うように改善して長崎を中心に教会を建築しました。
鉄川氏が設計した教会を訪問してみると、まず教会の佇まいに見惚れます。小さな教会が、周囲に溶け込むようにして建っています。浜辺であったり、山間であったりしますが、小さな島なので集落の人口は多くはありません。そのため、当時の教会の規模は小さいものが多いです。ステンドグラスをはめたアーチ型の窓や、白や青で塗られた壁は一見、西洋風です。しかし、よく見ると雨戸がついている教会もあります。また屋根には灰色の瓦。いずれも多雨な日本の気象条件に適応しています。また教会内に入ると、コウモリ傘を開いたようなリブボールト天井です。ヨーロッパの教会では石材を積み上げて築かれているものをよく見ますが、五島では木材で作られています。船底を内側にしたような天井には、船大工の技術が活かされていました。西洋建築ではあっても、なんだか親しみやすい雰囲気を漂わせているのは、こういった日本独自の建築技術や建材が使われているからなのでしょう。どれも鉄川与助が心血を注いで建築した教会です。
古い教会は、今では使われなくなったものもあります。しかしながら、近隣の住民たちによって、鉄川与助建築の教会は今も大事に、そしてきれい保存されていることに気づきます。この古い教会は、五島列島に住むキリスト教徒の人々の信仰の歴史です。五島列島では、真摯に祈りを捧げる人たちに出会います。日曜日のミサには、教会の座席が埋まるほどの人たちが参列していました。
このような様子を目の当たりにし、過去から現在へと、五島列島の人たちが守ってきた信仰の深さを感じずにはいられませんでした。五島列島では、日本ならでは特徴ある教会に出会いました。そして同時にそれらを築き守ってきた、キリスト教の信仰心の深い人々にも出会ったのでした。(斎藤さ)
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