おサルの天国!?世界遺産シミエン国立公園滞在記(エチオピア)
こんにちは。先日、ユーラシア旅行社の「神秘の歴史、エチオピア世界遺産紀行12日間」のツアーより帰国致しました。すっかり日本も秋めいて参りましたが、9月のエチオピアの気候は雨季の終わり。首都のアディスアベバを始め、ラリベラ、アクスムなど、平均標高が2000メートルを超す北エチオピアは非常に涼しく、日本よりも過ごしやすい気候でした。
さて、本日は北エチオピアで出会ったおサルさんをご紹介したいと思います。
北エチオピアは宗教史跡が多いイメージかもしれませんが、実はエチオピア最高峰の山脈が連なる自然が美しい地域でもあります。この辺りは、「アフリカの天井」とも呼ばれ、3000メートルや4000メートル級のシミエン山脈が110kmもの長さで連なっています。
この「アフリカの天井」はシミエン国立公園に位置し、世界遺産にも登録され、牧草地帯の緑一面の美しい大渓谷が広がります。
そして、このシミエン国立公園の住人がゲラダ・ヒヒというおサルさんです。
ヒヒと聞くと、ケニアやタンザニアなどでご覧頂いたことがある方も多いかもしれません。しかし、このゲラダ・ヒヒはエチオピアの固有種で、低地での争いに負けてシミエンの高原地帯に移り住んだと考えられています。サルなどの霊長類は森の中に生息していることが多いですが、ゲラダ・ヒヒは人間を除いて、最も地上の生活に順応しているおサルさんです。
シミエン国立公園内のロッジから歩いて散策スタート。すると歩き始めて約5分!座って草をむしり食べているゲラダ・ヒヒの大群に遭遇!こんなに早くに見つかるとは思っていなかったのでお客様も私もビックリ。
ゲラダ・ヒヒで特筆すべきことは、彼らの顔の表情や声、ジェスチャーを組み合わせて会話をすることです。群れ同士は、そのような表現方法で会話をしながら、なるべく平和的に争いを避けながら生存してきたそうです。
今回、ユーラシア旅行社のエチオピアツアーで会ったゲラダヒヒの群れはざっと300頭!静かに観察をしていると、
「キーッ!キーッ!」という声が四方八方から聞こえてきます。表情を見ていてもとっても面白く、身体が大きいオスザルを奥さんザル、子どもザルが取り囲み毛繕いをしています。どこの家庭も亭主関白のようです。私たち人間が一歩でも近づくと、歯茎を剥き出して「シャーッ」と威嚇。この表現方法も、会話の1つだとか。彼らは争いを避ける為に、この「威嚇」を使いながら解決してきたよう。 威嚇はするけど基本的には大人しく、手を出してくるような暴力的なことはしません。じっと、静かにゲラダ・ヒヒの大群を観察しました。
余談ですが、このシミエン国立公園は、日本のJICAが共同プロジェクトをしているようで、「シミエン国立公園および周辺地域における官民協働によるコミュニティ・ツーリズム開発プロジェクト」と称して展開しています。国立公園の入り口で手続きをしていたら、「日本人がガイドやレンジャーの指導をしてくれた」「観光は地元活性化の為にあると教えてくれた」等、受付の方が語ってくれました。こんな所にも、エチオピアと日本との繋がりを発見しました。
エチオピアの世界自然遺産シミエン国立公園。平和主義のおサルさんに出会える貴重な場所でした。(坂岸)
| 固定リンク
「アフリカ情報」カテゴリの記事
- マウンテンゴリラに会いに密林へ(ウガンダ)(2018.01.16)
- 2018年、初日の出の奇跡(ナミビア)(2018.01.12)
- 広がり続ける大地溝帯と生きるエチオピア(2018.01.10)
- 奴隷海岸を歩いて思ったこと(西アフリカのガーナ)(2018.01.09)
- 「星の王子さま」では恐怖の木!?不思議な巨木バオバブは存在感抜群!(マダガスカル)(2017.12.05)
コメント