2014年11月11日 (火)

青空いっぱいに広がるバオバブの根っこ(ユーラシア旅行社で行くマダガスカルのツアー)

先日ユーラシア旅行社の「マダガスカル南北大縦断 19日間」のツアーより帰国しました。

今回の旅では、マダガスカル島南部のアンダヴァドアカという僻地まで足を延ばして
「太っちょバオバブ」と言われる巨大バオバブの群生地を訪ねてきました。

その巨大バオバブ群の中で最も圧巻なのがマダガスカルで最も大きいと言われている、「聖なるバオバブ」。
車を降りて見上げると、思わず「おおーっっ!!」と唸り声が出てしまうほどです。

この巨木を守り続けている部族長と挨拶を交わし、
持参したお神酒をご神木に捧げる儀式を執り行ってもらいます。
この聖なるバオバブを訪れる旅人は必ずお供えをしなければこのご神木に近づくことはできません。
村長さんが何かブツブツお祈りの文句を唱えています。
「この旅人達が道中に悪いことをしませんように・・・。」

「ナヌッッ??」
一瞬耳を疑いましたが、せっかく部族長がお祈りを捧げてくれましたので、有り難くお礼の言葉をお返ししておきました。
たぶん聞き間違いだったのでしょう・・。
儀式が終ったので、早速近づいて巨木を見上げてみました。

とてつもなくどっしりとした重量感。

聖なる太っちょバオバブ

そして圧倒的な存在感。
簡単には人を寄せ付け難いオーラも漂わせている一方で、小さな子供たちからお年寄りまで村人たちを包み込んでくれる母親のような包容力。
じんわりとした温もりも伝わってきます。
(上記の写真をご覧頂くと、聖なるバオバブを中心に村人が集い、精神的な拠り所になっている事が伝わってきます)
村人たちが昔から「聖なる大木」と崇めている理由は言われずともわかるような気がしました。

この聖なるバオバブは土地の言葉で「ツィタカクイケ」と呼ばれています。土地の言葉で「声が届かない」という意味ですが、幹の向こう側にいる人まで声が届かないくらいに太くて大きい、ということなのです。
すかさず村長さんに樹齢を聞いてみました。

バオバブは60%が水分と言われており、
なんと年輪がないそうです。
バオバブは正確な樹齢が分からない樹木だったのです。
長年近くに住む土地の人々の言い伝えや経験、そして適当な勘でおおよその樹齢を推測する程度。
村長さん曰く、「このバオバブはワシの10代前の部族長の時代からここにあったと伝えられておる。」とのことでした。

私たち旅行者が求めがちな正確な樹齢ではありせんでしたが、樹齢が曖昧な方がご神木らしい気がします。
村人たちにとって樹齢はさほど重要ではないのです。
ご神木が遥か昔からそこにある、という「存在」そのものが大事なのでしょう。

「ルーツ・オブ・ザ・スカイ(空に広がった根っこ)」

空を覆うほどの巨大な枝を見上げていたら、
マダガスカルのバオバブの木に付けられたこの愛称を思い出しました。
空からもエネルギーをかき集めるかのように太い枝をより高く、より遠くへ向かって懸命に広げた姿。
とてつもなく力強い生命力を感じます。
見方によっては木を逆さまにひっくり返して、地中の根が剥き出しになった様にも見えます。

この種のバオバブはこの地域周辺にのみ生息する、愛嬌溢れる姿が特徴です。
でも、他の地域で見られる一般的なスマートなバオバブと同じ種類だそうです。
距離的にもさほど離れている訳ではありませんが、
何故全く異なる姿に変わっていったのでしょうか?
まだはっきりとわかってはいませんが、半年以上も雨が殆ど降らない、過酷な乾燥期を乗り切る為、幹の中にたっぷりと水分を蓄える為に進化した故の姿と考えられています。
(下の写真はムルンダヴァ周辺の一般的なバオバブです)

ムルンダヴァ近郊の一般的なバオバブ

普段は声も出さず、動きもしない木々たちが、周りの環境に合わせて長い時間をかけ、ひっそりと変化し続けている生命の営みを肌で実感することができました。

「ルーツ・オブ・ザ・スカイ」
旅から戻った後も、バオバブの写真を見るたびに、この言葉を思い出します。
(上田)

ユーラシア旅行社で行くマダガスカルのツアーはこちら

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