2014年12月23日 (火)

クリスマスのドイツで出遭った窓辺から放たれる家族の思いやり(ユーラシア旅行社で行くドイツ)

ユーラシア旅行社で行く「ドイツ・エルツ山地のクリスマスとシュトレン祭9日間」でタイトル通りエルツ山地へ行ってきました。エルツ山地は、最高所でも約1,244mなので山脈というほどではありませんが、ドイツの東側、古都ドレスデンの南に位置するチェコとの国境沿いに山が連なる場所を指します。

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かつて12世紀に銀が発見され、銀をはじめとする錫やコバルトなどの鉱物資源採掘で生計を営む鉱山町がありましたが、17世紀に外国の安価な鉱物資源の輸入や鉱物資源の減少などで、衰退していきました。その後の鉱物資源採掘に代わる産業として取り込まれたのが副業として行われていた木のおもちゃを始めとする木工製品作りでした。その木工製品作りも様々な歴史や経済の波を乗り越え、現在でもエルツ山地の木のおもちゃは世界中に名を轟かせています。

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ここで作られる代表的な木工製品には、欧州でとても盛り上がるイベント、クリスマスの装飾品も含まれます。ドイツならではのスモーカー(胴体の中にお香を入れて口から煙が出るインテリア)からクリッペというキリスト生誕の場面を作り出す木の人形、のみ一本で作り出すシュパンバウムという削り木は芸術作品に値するほど。ドイツ中の各都市で開かれるクリスマスマーケットでもエルツ山地の製品を目にします。こうした製品のなかでとりわけエルツ山地ならではのものを挙げると、『シュヴィボーゲン』という窓辺に置かれる蝋燭飾りです。

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かまぼこのような半円形をした木のアーチ、これは坑道の入口を表わしています。そのぽっかり空いた空間に透かし彫りのような木の彫刻が配置され、アーチの上に取りつけられた蝋燭の光で彫刻の影が下に映し出されるというもの。現代では、蝋燭ではなく豆電球が付いていて光を放っています。シュヴィボーゲン自体に彩色は施されず、木地がそのまま、豆電球の色も基本電球色(もしくは白色)のみ。近くで見れば彫刻の素晴らしさを見ることが出来ますが、夜暗いときに遠目で単体で見ると非常に地味です。複数の色が点滅する電灯をつけたクリスマスツリーやカラーボール、サンタクロースなどの置物と比べると派手さはないし、華やかさに欠ける印象が強く、日本では飾られている家もほとんど見かけません。しかし、日没が16時と早いクリスマスの時期に、本場エルツ山地をバスで走っていると、車窓から幻想的な光景が!

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それはこのシュヴィボーゲンが、ほとんど全ての民家の窓に置かれ、灯りが灯されていたのです。一軒家の通りに面する窓が8つだとしたら、その窓のほぼ全て、7か8つの窓に置かれており、その窓のある部屋が使われていなくてもシュヴィボーゲンだけは灯っていたのです。それはとてもとても静かな灯りで、厳かさと優しさを強く感じるものでした。点滅もせず、様々な色の光の放ちもなく一色のみ、形もアーチか三角形だけ。ただそれだけなのです。インターネットや都会にでれば様々なクリスマス装飾品が手に入る現代で、他のクリスマス装飾を一切せず、シュヴィボーゲンだけを、窓辺に飾り、夜中に灯すエルツの人たちの郷土愛、郷土の誇り、厳かさの心を見た気がして、心を鷲づかみにされる感動をしました!もともと、この窓辺に灯りを灯す習慣は、真っ暗な炭鉱で働いてきた男の人が帰宅するときに温かい光で迎えてあげるという家族の思いやりのともしびであったことが由来。人を思いやる気持ちから生まれたシュヴィボーゲンの灯は、現代においても異国から来た私たち旅人の心にも温かいものを与えてくれました。

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※年内のブログは本日が最後です。新年は1月6日(火)から再開予定です。

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