石澤良昭先生(上智大学元学長)と訪れた「カンボジア 密林の五大遺跡」
先日、ユーラシア旅行社の「アンコール・ワットの初日の出とカンボジア5大遺跡を極める8日間」のツアーより帰国いたしました。上智大学元学長であり、カンボジア、アンコール遺跡研究の第一人者である石澤良昭先生が現地同行解説する特別コースです。2003年から毎年のように、ツアーを積み重ね、弊社ツアーでもすっかりお馴染みとなった石澤先生同行コース。毎回、テーマを設定して訪問する遺跡を入れ替えてご案内しています。
今回の旅の目玉は、アンコール・ワットやアンコール・トムなどがある中心都市(現シェムリアップ)の地方拠点となった5か所を訪ねた事です。これらは現在、”5大遺跡”とも呼ばれ、シェムリアップからそれぞれ100キロ前後離れている為、修復や管理が未だ途中であり、中には密林の中に崩れ落ち巨大な石が転がる発見当時の遺跡の姿を残しているものもあります。
これらの遺跡を訪れると、アンコール王朝が最盛期にはいかに大きな力を持っていたか、思い知らされます。石澤先生の最新刊「カンボジア 密林の五大遺跡」
にも書かれているように、雨季でも冠水しない盛土土手道が造られ、これらの地方都市から物資を中心都市へと運ぶ為、各地が結ばれていた。まさに“全ての道はアンコールに通ず”です。壮大な絵巻物が繰り広げられたことを想像しながら、ある時は崩れ落ちた遺跡の石の上を歩き、ある時は草木を分け入って進みました。まるで、冒険ものの映画の一場面のようです。
なかでも、冒険度ナンバーワンは大プリヤカーン(コンポン・スヴァイのプリヤカーン)です。7台もの4WDに分乗し、“石澤探検隊”はシェムリアップから約100キロ離れた地を目指します。数年前に比べると大分、道がよくなっていたとはいえ、遺跡近くになると道なき道を走る為、やはり4WDでなければ行けません。アンコール・ワットの約5倍もの規模をもつ、この地方都市には中央本殿の他、寺院などが点在しています。寺院の壁面に施された神々の彫刻を見つけると、地方都市らしい素朴さが感じられ800年以上もの間ここに存在していたのかと思うと圧倒させられます。
石澤先生に現地でお話しを聞いていると、毎回新しい発見があります。そして、石澤先生が、ご自身の生涯をかけて遺跡修復、保存、カンボジア人の育成に尽力されていらっしゃる情熱がお話しの中にも伝わってきて、惹きこまれてしまうのです。次回は、長らく訪問が規制され、カンボジア側からの訪問がついに再開された“天空の寺院”プレア・ヴィヘアに行きたいな、と心の中で願いながらアンコールの神々にそっと手を合わせ帰国の途につきました。(帯津)
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