フォンニャ=ケバン国立公園で知られざるベトナムの魅力を発見!
先日、ユーラシア旅行社の「ベトナム8つの世界遺産物語」から帰国致しました。このツアーはベトナムにある8つの世界遺産を全て訪れるだけでなく、北のハノイから南のホーチミンまで飛行機を使わず、ベトナム統一鉄道とバスを使って大縦断するツアーです。
南北に長いベトナムは北部・中部・南部でそれぞれ特徴ある気候、文化、人々の暮らしがあります。陸路で移動するからこそ、少しずつ変化していく光景が実感できるのが、このツアーの醍醐味!
旅が進むにつれ、北部では田植えをしていた水田が南部では稲が育って一面緑色になっていたり、北部では見られなかったフルーツが南部の店頭に並んでいたりと、車窓から眺める風景も全く飽きません。
また、北から南へ陸路で移動することにより途中の風景を楽しみ、ルート上の見所にも立ち寄ることが出来、知られざるベトナムの魅力を再発見することができました。
中でも、世界遺産のフォンニャ=ケバン国立公園が印象に残りました。
フォンニャ=ケバン国立公園はラオスとの国境沿いにあり佐渡島ほどの敷地内の約90%が原生林で覆われており、様々な動植物が生息しています。多様性に富んだ素晴らしい生態系が残る場所であることと共に、アジア最古とも言われるカルスト地形が生み出した大小300の洞窟も特徴のうちの一つ。
今回訪れたフォンニャドンとティエンソンドン洞窟へはモーターボートでゆっくりと川を上り、洞窟の入り口で、エンジンを止めて手漕ぎに切り換えて洞窟内を進みます。
船頭さんが漕ぐ音が洞窟の中で反響し、ゆったりとした時間を楽しみ、しばらく進むとライトアップされた鍾乳洞が見えてきました。
2億5000年もの時をかけて創り出された自然の造形美と何色もの色で照らされた鐘乳石の美しさに、圧倒されてしまいます。鍾乳洞の中を2キロほどクルーズしたあと、ボートを降りて間近で鍾乳洞を見ます。「歯」を
意味するフォンニャの名の通り、鍾乳石を間近で見上げると歯のように見えますが、遠くから見るとカーテンがなびいているかのように見えます。
さらに、壮大な自然だけでなく歴史的にも重要な場所で、9世紀にはチャンパ王国を繁栄させたチャム族の聖地となり、洞窟内にはチャム族が残した碑文もあります。
また、この地は南北ベトナムの境界線となった北緯17度線上にあるベンハイ川から僅か100キロの距離にあり、ベトナム戦争時には戦場の最前線となったため、この広大な洞窟内は武器庫や野戦病院として利用され、アメリカ軍の爆撃の標的にもなりました。
国立公園周辺の水田の間に時折見かける円形状のため池はかつて爆弾が落ちてできた穴をそのまま利用しているそうです。
今年はベトナムにとって、第二次世界大戦終結70周年でもあり、ベトナム戦争終結から40周年。戦争によって多くの建造物が破壊されてしまった中、戦火を逃れた鍾乳洞の美しさに、地球の壮大さを実感しました。(三浦)
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