新疆ウィグル自治区を駆け巡り、公路の重要性に触れる旅
先日、ユーラシア旅行社の「タクラマカン砂漠縦断ハイライト 9日間」より帰国致しました。この旅ではタイトルの通り、タクラマカン砂漠を走り抜け、新疆ウィグル自治区とパキスタンの境目、パミール高原のカラクリ湖まで足を延ばします。かつてシルクロードを往来したラクダの隊商で大いに賑わった、砂漠に点在するオアシス都市の魅力に触れるだけでなく、天山山脈や崑崙山脈といった美しき山々の姿を堪能することができました。
このツアーでは、新疆ウィグル自治区の有名な道を辿ります。その中でも、なんといっても最大の目玉は、タクラマカン砂漠を走り抜ける「砂漠公路」!太陽の角度により色が変わり、時には流砂、時には竜巻が沢山現れるこの砂漠では、様々な表情を見ることができ、一瞬たりとも目を離すことができません。ウィグル語で「一度入ったら出られない」を意味するタクラマカン砂漠。この砂漠を縦断する砂漠公路は、私たち観光客のみならず、そこで暮らす人びとの生活を支えます。
そんな砂漠公路を走っていると、「この道は、砂に埋もれないのかな?」と心配になってきます。でも、心配はありません。なぜなら、道の両脇に防砂堤の役割を果たす、茂みがあるからです。よく見ると、この茂みに沿って黒いホースのようなものがあります。このホースが定期的に茂みに水を供給するため、茂みは枯れることなく、砂を防ぎ続けます。その水は、道の途中に点在するポンプ室から送られます。砂漠が乾燥期に入る3~11月の間は、このポンプ室に出稼ぎの人が常駐し、水の量を管理します。ポンプ管理人の月収は2000元(約40,000円)ということですが、新疆ウィグル自治区の平均月収は3000元(約60,000円)。農家の方などが、畑を休める期間に臨時収入でこういった出稼ぎに来るそうです。しかし、砂漠の中での生活は厳しくそして孤独です。お手洗い休憩で私たちが立ち寄ると、久しぶりにお話ができて嬉しい!と喜んでいました。
また、今回はカシュガルとパキスタンを結ぶ重要なシルクロードの古代道「中パ公路」も走りました。そこでは、ハイウェイを建設するために絶賛工事中、標高3000メートル以上の過酷な環境で、多くの人びとが働いていました。このハイウェイは2年後に完成予定とのことですが、完成すればパキスタンやキルギスなど隣国との行き来も、より短時間で行うことができます。
広大な面積を有する中国という国では、「公路」は必要不可欠なものです。それは、厳しい環境の中でそれを支える多くの人びとの力によって守られているのだな、と実感した旅となりました。(坂田)
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