2015年8月20日 (木)

アルプスの絶景展望台から見える、いろいろなモノ(スイス)

ロートホルン展望台への山岳鉄道(蒸気機関車)

先日「スイスの優雅な休日 12日間」のツアーより帰国しました。

今回の旅では、ツアータイトル通りに「ゆったり優雅な」日程でアルプスの山岳風景を心ゆくまで愉しんできました。
ゆったり連泊をしながら、シャモニー谷のロープウェー(フランス)からは銀嶺のモンブランを眺め、ツェルマットの町(スイス)からは朝に夕にオレンジ色に染まる鋭いマッタ―ホルンの姿に歓声をあげ、ミューレンの村(スイス)では三大北壁のひとつ、アイガーの絶壁や雪山ユングフラウの刻々と移りゆく美しい山々を眺めることができました。

今回特に印象的だったのは、7日目に訪れたユングフラウやアイガーの山々を遠望する、標高2245mのロートホルン山頂の展望台。
そこで興味深い話を耳にしました。

このロートホルン展望台には湖畔の町ブリエンツから山岳鉄道に揺られながら、牛がのんびり草を食む緑の牧草地をガタンゴトンゆっくりと登ってゆきます。
スイスでは唯一とも言える年代物の蒸気機関車がこの観光地の名物になっています。
実は1970年代にロートホルン山の裏手ゼーレンベルクの村からロープウェー建設の話が持ち上がった時には、ブリエンツの町をあげて建設反対運動が起こり、ロープウェイ起点となる隣村ゼーレンベルクと揉め、結局は連邦政府が仲裁に入り、観光客が明らかに減った場合には、損失分を補填するという条件でロープウェーの建設が決まったそうです。

神々しい山々の絶景、のんびり牧歌的な風景の裏には、知られざる観光地同士の熾烈な競争があったのでした。
地域住民、展望台や山岳鉄道の運営会社が一体となって、大変な思いをしていることを実感しました。

それ以来、各地の展望台を訪れる度に、美しい山岳風景と共に、それぞれの展望台が、がんばっている様が見えるようになりました。

もちろん、山が見える角度や距離も大事なポイントですが、
アルプス名物のホルン演奏で観光客を出迎えたり、展望台周辺に珍しい高山植物を集めて植物園を作ったり、一方では映画のロケ地になったことを前面にアピールしたり、
ある展望台では散策路の脇にさりげなくエーデルワイスを植えたり、
山頂にゆっくり滞在できる絶景ホテルを建てたりして、
あの手この手で展望台をアピールしているのです。

今、スイス山岳地帯に住んでいる人々の生活は、かつての牧畜業から観光業へと変わってきており、観光客をどうにかして呼び込もうとする地域住民たちの生活をかけた真剣さも伝わってきます。

ロープウェーや山岳鉄道で展望台に登ると、眼前には雄大な雪山が迫り、景色も気温も一変。天候が一変すると、山頂ならではの山の厳しい世界を体感できたのが印象的でした。
また遥か遠方まで山々の連なる景色を眺めていると、晴れ晴れとした気分になります。

スイスをはじめ、周辺のアルプス山脈の各地には展望台が星の数ほどもあります。
また再びアルプスの山々を眺め渡す展望台を訪れる機会があったら、
山の景色から視点を変えて、展望台周辺をぐるりと観察してみたいと思います。(上田)

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