2015年8月25日 (火)

「聖域」恐山と仏ヶ浦~知られざる下北半島の魅力~

 先月、ユーラシア旅行社で行く「本州最北端下北半島と夏の恐山大祭3日間」より戻りました。

「恐山」と聞くとイタコさんのイメージが強いです。
けれども実は曹洞宗の由緒ある菩提寺というお寺があり、9世紀に慈覚大師円が「東へ向かうこと三十余日、霊山ありその地に仏道をひろめよ」との夢のお告げに従い、諸国を行脚し辿り着いた場といわれます。大きなカルデラにある宇曽利湖を8つの山がぐるりと囲んだ地は、極楽浄土にある8葉の蓮華の花に見立てられ、高野山や比叡山と並び日本三大霊場としても有名です。

地獄のイメージが強い恐山ですが、「恐山」という名の山は存在しませんし、「おそれ」はアイヌ語の窪みを意味する「ウショリ」が転じて「恐れ」になったのだといわれます。
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そして、硫黄の香りする地獄めぐりの先で出会う極楽浜は亡くなった方と対話が出来る場所といわれています。私も自由時間の時に極楽浜を訪れたのですが、光の加減で水色からエメラルド色へ変わる宇曽利湖をじっと見ていると、柔らかな風が体を通り過ぎていきました。その時、ふと亡くなった友人に再び出会えたような気がしました。心が洗われる感じでした。大祭ということもあり、訪れる人も多いこの時期。いろんなところで、あの世を旅する人の為にタオルと草鞋、お洋服などが奉納されていました。

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亡き子供の魂を慰める風車が回り、亡くなった子が成仏の為に石を積むといわれる賽の河原ではそうした子らの石積みを手伝うかのように石積を行ったりしました。恐山は決して恐ろしいところではなく、こちらでは逢えない懐かしい人と対話できる素晴らしい場所でした。

そして、菩提寺境内に大祭の時期に小さなテントがたっています。これがイタコさんのテントで、ここで口寄せをお願いすることが出来ます。今は高齢化も進みなんとたったの3名しかいらっしゃらないのです。大きなお数珠をお持ちになり、お経を唱えて亡くなった方を呼び戻します。亡くなった方と対話が出来る恐山の霊的な雰囲気が、イタコ文化を築いていったのかもしれません。

翌日、下北半島の西側にある景勝地、仏ヶ浦へクルージングで向かいました。上陸した場所も賽の河原といわれ、仏様の横顔に見立てられた岩が立ち、流れ着いたお地蔵様が祭られていました。海から来たものを祀る「えびす信仰」なのかなと思いますが、恐山とはまた異なる聖域なのだと感じました。
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下北半島は、二つの大海、日本海と太平洋の影響を大きく受け、天候が安定しません。そういう厳しい環境で生きるにはこのような超然とした聖域が人々の心の支えになったのでしょう。(齋藤晃)


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