ヴィヴァルディ号で行く!ドナウ河クルーズの魅力(リバークルーズ)
先日、「黒海からブダペストまで 東欧5ヶ国ドナウ河クルーズ」の添乗より帰国致しました。
「ドナウ」と聞くと頭に浮かぶのは、あの音楽・・・そう、ワルツの名曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「美しく青きドナウ」。優雅にのんびりと流れる様子は、まさに〝母なるドナウ〟の呼び名に相応しいものでした。
今回の船旅は、ドナウ河が注ぐ黒海河口の町、ルーマニアのスリナから始まり、ブルガリア、セルビア、クロアチア、ハンガリーと上流へ遡っていくルート。
通常のツアーでもお馴染みのブカレストやベリコタルノヴォといった歴史深い、大きな街の観光もありますが、興味深かったのは船旅でないと訪れることが出来ない、小さな港町の観光でした。世界遺産に登録された大きな湿地帯のドナウデルタやブルガリアのルセ、セルビアのセレムスキ・カルロヴィツィ、クロアチアのオシエク等、これらの地名を聞いたことがあるという方は少ないのでは?
まだ観光地化されておらず、擦れていない素朴な人々、中心の広場にはショッピングセンター、古い教会、教育や政府の機関が集結し、散策しやすいというメリットもあります。
又、少し足を伸ばすとガイドブックには載っていない、地元の人だけが知る穴場的な観光スポットなんかもあり、混載ツアーに参加するとそのような場所まで訪問できるのも嬉しいところ。
ルセの郊外にある岩窟修道院「バサルヴォヴォ」は聖ディミトリアスの古い伝説が残り、遺体を修道院に納めたところ様々な奇跡が起こったという、霊験あらたかな場所。
15世紀、修道士が隠遁生活を送る為、山の岩壁を削って造ったという礼拝堂は、内部にフレスコ画が描かれ、「素晴らしい」の一言!でも多くの人に知られることなくひっそりと人里離れた山の中に佇んでいました。
そして、何といってもリバークルーズならではのハイライト、それは「閘門」です。
セルビアとルーマニアの国境134kmにも続く険しい渓谷、1972年にこの下流に巨大な〝鉄門ダム〟が建設される迄は、ローマ時代からここはかなりの難所とされてきました。
トラヤヌス帝は船の通過が危険なため、河岸の絶壁を削り道路を造りました。それを記念する大理石の石版の碑も残っています。
また旧ユーゴスラビアとルーマニアが共同で建設したメインの「鉄門ダム」は、2つの水力発電所と2段式の水門を備えています。1段目は20m、2段目は14mも水位を調整するという大きな水門。このダムの完成により5つの村が水底に沈み、25,000人の人々が移住させられたと言われており、かつて村があったというその場所に船が差しかかるとクルーがマイクを使って説明をしてくれます。
静かな河の流れが延々と続いているように見えますが、この水底にかつて機能していた村が眠っていると思うと少し複雑な気持ちになりました。
でもこれらの犠牲があったからこそ、今、安全に快適にドナウ河の船旅を楽しむことができているのです。
目一杯のおもてなしの心で迎えてくれた船内スタッフ、停泊した町々で積み込んだ新鮮な食材で作られた各地方の名物料理も良い思い出です。(三橋)
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