2015年9月 8日 (火)

サッソルンゴ直下のハイキングを楽しむ ~西側ドロミテを訪ねて~

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世界自然遺産に登録される雄大な自然地域ドロミテ山塊というと、コルティナ・ダンペッツオを中心とした東側の地域に焦点があてられがちですが、この度、ドロミテの西側の奥座敷、ガルディーナの谷にあるアルペ・デゥ・シウジやオルテセイ、フネスの谷にあるサンタマッダーレーナ村等に訪れる機会に恵まれました。

この地域は地元のイタリア人の週末の避暑地として人気の場所ですが情報が非常に少なく、まだまだ日本人観光客には知られていない、とっておきの場所です。私自身、かねてよりこの地域の象徴でもあるサッソルンゴ(3,179m)の写真を見て、是非一度訪れてみたい、と切望していた場所で、その願いがようやく叶った訪問でした。
多くの感動が得られた訪問でしたが、なかでも2つのハイキングコースが印象的でした。

【サッソルンゴ直下をセッラ峠小屋まで歩くハイキング(約3時間)】
ハイキングの拠点となるのは、愛らしい南チロルの伝統的な家々が建ち並ぶサンタ・クリスティーナの街。家々に美しいゼラニウムの花々が軒先を飾る光景が素敵な街です。スイスやチロルでも目にする光景ですが、同じ花を飾るにしても、お洒落なイタリア人の手にかかると、彼らのセンスの良さが手伝い、花々が心なしか輝きを増しているようでした。
そしていよいよサンタ・クリスティーナの街からリフトを乗り継ぎ、一気にサッソルンゴの麓へ!サッソルンゴはしばしば「鋭峰」や「怪峰」と呼ばれます。何故このように呼ばれるのか謎でしたが、麓にたどり着きその意味がわかった気がしました。

ハイキング前日、遠目で目にしたサッソルンゴは真四角な台形の岩山。それが、麓から真上を見上げたサッソルンゴの姿は、圧倒的な大きさと迫力で覆いかぶさるように空に聳えたっていました。雄々しい姿に暫し圧倒された後は、サッソルンゴ直下をセッラ峠小屋までハイキング。右手にそびえる岩壁は凹凸の激しく変化に富み、その反面、左手には広々とした展望が広がり、出現する風景に歩きながらも楽しむことができました。

コースはうねうねといくつもの尾根を回り込みながら緩やかに登り下りを繰り返します。途中のハイライトは坂を登りった眺望の良いコミチ小屋の草原でしょう。歩いて2時間の場所にあり、休憩するには丁度良い場所にあります。この場所には青い屋根の素敵な山小屋が建ち、イタリアらしいおいしい食事やワイン、カフェを楽しむことができます。ですが何と言ってもおすすめは無料で貸し出してくれるレジャーシートを敷いて草原で寝っころがりながら眺望を堪能することです。歩いてきた者だけに許される極上の眺望。青空の下、レジャーシートに寝っころがり山々を眺め新鮮な空気を一杯吸えば気分爽快!疲れも吹っ飛びます。
訪れたのは8月の最終の週末。子どもからお年寄りまで多くのハイカーで賑わっていました。彼らも思い思いに昼寝をし、お弁当を食べています。小粋なイタリア人の贅沢な休暇の過ごし方を少し羨ましく感じました。

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【ラショッツからブログレス峠を越えフネスの谷まで歩くハイキング(約5時間)】
2つ目は西側ドロミテガルディーナ谷の中心地オルテセイからケーブルカーに乗ってラショッツへのハイキング。
樹林帯の中を緩やかに登った後、アップダウンを繰り返しサッソルンゴやアルペ・ディ・シウジ、ガルディーナ谷を眺めながら歩きます。目的地は標高2,119mの場所にあるブログレス峠。

このブログレス峠からは、フネス谷の象徴ガイスラー山群の岩峰が美しく連なり言葉に言い尽くせないほどの素晴らしい眺めが広がります。山上の小さな山小屋のテラスに腰を下ろし、眼前の大パノラマを堪能しながら飲むエスプレッソの味と香りは格別でした。
休憩後、ガイスラー山峰をを眼前に見ながらガイスラーアルムまでもうひと頑張り。この地域に住む人々は従来牧畜を中心に生計を立てていましたが、近年世界遺産にも登録されハイカーが増えてきたのでおいしい食事を提供するかわいらしい山小屋を眺めの良い場所にいくつか建て営業し、ハイカーにとってはとても便利で安心してハイングすることができます。ガイスラーアルムの山小屋もその一つ。間近で見るガイスラー山群、お洒落な山小屋でのおいしいパスタや自家製アップルシュトゥーデルはどちらもはずせないお楽しみ。

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スイスアルプス、アオスタ、ピレネー、チロル、バイエルンアルプス、東側ドロミテ・・・これまでも各地を添乗で同行させて頂き、多くのお客様とともに感動を共有してきました。そして、今回訪れた西側ドロミテ。一般的にはまだまだ知名度が高くないかもしれませんが、どなたでも必ずや新たな感動を得ることのできる場所だと確信しました。来年のドロミテの新しい企画をお楽しみに! (伊藤)

>>>ユーラシア旅行社のドロミテの魅力はこちら

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