チェコ、プラハ。古き良き街並みを巡る。
先日、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー15日間のツアーより帰国しました。
これらの国々の魅力は、何と言ってもその美しい街並みだと私は思います。
始めに訪れたのは、「建築博物館」と称される、プラハ。この町には、様々な様式の素晴らしい建築物が良い保存状態で残されており、これほど完璧に中世の街並みを残している都市はないと言われるほど。チェコはその歴史の中で、常に近隣諸国から圧力をかけられ、支配されてきました。他国が攻めてきたとき、チェコはいつも、潔く降参します。そのために、街が壊滅してしまうような攻撃を受けずに済み、プラハの街にはたくさんの美しい建築物がきれいに残っているのだと、ガイドさんが教えてくださいました。
さて、プラハ観光の最初の訪問スポットはプラハ城。
プラハ城、とは言いますが、その敷地面積は非常に広く、ギネスブックに載るほどです。
一番西、マチアス門を通って敷地内に入ります。門の所には衛兵さんが。なんと、何か食べているようでした。普通、衛兵さんといえば、まったく身動きをとらず、きりっとした表情で立っているものですが、なんだかチェコの衛兵さんはのんびりしているようでした。
2つの中庭を抜けると、そびえ立つ聖ヴィート大聖堂の前に出ます。
14世紀、カレル4世の命によって工事が開始され、完成までに約600年もかかったと言われています。
内部では、アルフォンス・ミュシャのステンドグラスや、チェコの守護聖人、ヤン・ネポムツキーの墓碑などが見られます。
たまたま、パイプオルガンの演奏が行われていたため、広い聖堂の中はとても神聖な雰囲気に包まれていました。
とても神聖でした、が、チェコでは現在宗教離れが進んでいるようで、無宗教の人も多くなったのだとガイドさんが説明していました。
聖ヴィート大聖堂を出て、少し写真ストップ。この大聖堂はとても高いので、イジ―広場の端の方まで行かないと全景を撮ることが出来ません。ヴィート大聖堂から、旧王宮へと移動し、内部の見学。旧王宮の中には、ヴラディスラフホールという大きなホールがあります。
このホールが完成したのは16世紀半ばで、その当時ではヨーロッパ最大のホールでした。ホールの脇はテラスになっており、そこからプラハの街の全景を眺めることが出来ました。
その後、聖イジ―教会や、黄金小路を見学し、しばし休憩。プラハ城の公衆のお手洗いは非常に便利で、ここは使用料がかかるのですが、ちゃんと小銭に両替する機械が設置されています。紙幣からも、大きな硬化からも両替できます。
プラハ城の観光を終え、次は市内の散策へ!
丘をゆっくり下って、カレル橋にやってきました。ヴルタヴァ川にかかる、長さ530m、幅は10m近くもある大きなカレル橋。
両端には合計30体の銅像が並んでいます。この橋の建設が開始されたのは14世紀半ばで、こちらもこの当時で考えると非常に画期的な大工事だったんだそうです。ちなみに日本では14世紀末に金閣寺が建てられています。全く何の関係もありませんが、遠く離れた二つの国で、まったく違う文化が、街並みが造られていたんですね。
話をカレル橋に戻します。たくさんの銅像が並んでいるこのカレル橋、見るべきものはどれなのか?ヤン・ネポムツキーの銅像です。
聖ヴィート大聖堂でも彼の墓碑を見学したばかりですが、チェコを旅しているとありとあらゆるところで彼の像を見かけます。
彼は一体どういう人物だったのでしょうか?諸説あるようですが、ガイドさんはこのように説明して下さいました。
司祭であった彼は、人々からの懺悔を聞いていたのですが、ある時、王妃が懺悔室にやってきて懺悔します。そのことを知った王は、王妃が一体何を懺悔したのかヤンに問い詰めます。ヤンは一切口を割らず、司祭としての仕事を全うしたため、王の怒りを買い、拷問を受け、カレル橋から落とされてしまいます。その後、ヴルタヴァ川の岸で見つかった彼の遺体の、舌の部分が腐らずに残っており、これが奇跡と認識され、彼は聖人になったのだそうです。
橋の守護聖人であるため、橋の近くでよく彼の銅像を見かけます。ヤン・ネポムツキーの見分ける方法は、頭上を見ること。頭上に五つの星があれば、その銅像はヤン・ネポムツキーの銅像です。
カレル橋を渡って、建物の間を進んでゆくと、プラハの旧市街広場に出ます。
時刻は丁度、正午12時。天文時計台のからくりが動き出す時間の為、広場にはたくさんの人が集まっていて、とても賑やかでした。
プラハ旧市街広場の天文時計は、1365年に旧市庁舎を増築際に作られました。二つの大きな文字盤が縦に並ぶ天文時計、上の時計はプラネタリウムと呼ばれ、地球を中心に、周りを月と太陽が一年かけて一周しながら年月日と時間を表しています。下の時計は黄道十二宮であらわした暦で、一日に一目盛り動き、農業の為の、四季の移り変わりを表す仕組みになっています。さらに、この二つの仕組みの上にはからくり時計があります。たった毎時0分になるとからくりが動き出すのですが、キコキコと骸骨や天使の像や、キリストの12使徒が動く様子はとてもかわいらしいものです。たった20秒程しか動かないので、要注意の瞬間です。
確かに、今この時代にみると素朴で可愛らしいからくりですが、造られたのは15世紀で、この時代、このからくりはとても斬新なものだったのだそうです。それが今でもしっかり動いているのだから、驚きですね。
旧市街のお散歩を終え、お昼ご飯を食べて、この日は午後は自由時間でした。
また旧市街広場に戻ってきて、今度は時計塔の上に登ってみました。赤い屋根の美しい街並みの素晴らしさ、ただ歩いただけではこの街の魅力を知ることはできないなと、実感する瞬間です。
中世の街並みに、とてもわくわくした一日でした。(留置)
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