欧州の飛び地や独立国セボルガ公国に行ってみました
先日、ユーラシア旅行社で行く「欧州小さな国々とルクセンブルク12日間」へ行って参りました。12日間で訪問した国は、ルクセンブルク大公国・リヒテンシュタイン公国・ヴァチカン公国・サンマリノ共和国・モナコ公国・アンドラ公国、そしてスイス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン。さらに自称独立国セヴォルガ公国、飛び地を3か所も巡ってきました。
1日で2,3か国を巡る日があったり、ドイツ⇒フランス⇒ドイツと国境近くの道路を走っていると隣国を出たり入ったりするようなこともあり。数か国と国境を接する欧州の国をこのように巡ると、島国・日本に住む私たちは、なんとも不思議な気分になります。いまでは大国になっているドイツやフランスは、中世時代、公爵領や大公国などたくさんの小国が寄り集まっていて、近代にそれらが“統一”したことから現在の大国に至っています。そのときに統一されずに何らかの要因で他国の小国や領土が大国の中に取り囲まれるように残されてしまったのが飛び地。スイスの中のドイツの飛び地ビュージンゲンは、領主が窮乏ゆえに所有領地を手放し他の人に売ったり、戦争で所有者が変わったりという経緯を持った場所。一時はハプスブルクのチロル大公が所有する時代もありました。スイスの中のイタリアの飛び地カンピョーネ・ディターリアは所有していた領主がミラノの教会に寄進して教会の所有地だった為に、教会領を強く主張してスイスに統合されず残ってしまったという経緯。このような飛び地の歴史も興味深く、またこの経緯がわかると、いまや大国となった国々は、かつて公爵や伯爵、教会が所有する領土がたくさん寄り集まっていたことを実感できました。
今回のツアーではセボルガ公国というちょっと変わった自称独立国を訪問したことは非常に印象深い訪問でした。イタリア統一のときに統一されたという根拠に正当性がないので、ここはイタリアの一部ではなく統一前のセボルガ公国という独立した国だと主張。どんな国なのだろうとドキドキして向かいました。意外、というのは失礼ですが、“国”の中の風景は中世の雰囲気を残す細い石畳の小道や教会、礼拝堂、建物が建ち並び、展望所からは遠くに地中海と天気が良ければモナコが見えたりと、国散策は絵になるような素敵な景色がたくさん目に飛び込んでくるものでとても印象的でした。お土産には国で作られるワインやお菓子から独自の切手や硬貨、そしてパスポートまでも製造し売っていました。お店では民族衣装を着た方も出迎えてくれました。そして今回、2010年に即位した若き(36歳)セボルガ大公マルチェッロ1世が何と私たちを出迎えてくれ、記念写真やサインもしてくれました。
1カ国をじっくり巡るスタイルが多い弊社のツアーのなかで、現地滞在9日間で11カ国を巡るというなかなかの弾丸ツアー。毎日国が変わるので、挨拶も昨日はグーテルモルゲン、今日はボンジョルノ、明日はボンジュール。ときには午前、午後で挨拶の言語が変わるのもこのツアーならではの面白さ。国が変われば食事も街並みも文化・習慣も変わる変化に富んだ毎日でした。移動で5回使用した列車移動も日本とのスタイルの違い(指定席に堂々と指定券を持っていない人が居座ったり・・・)に最初は戸惑いながらも、権利を主張する欧州スタイルにお客様がだんだん慣れたり、みんなでお菓子を出し合って和気藹々しながらの列車移動は遠足気分。グループでの団結や協力あってのツアーで、欧州の広範囲地図を広げて移動した足取りを最後に辿りなおしてみると、帰国時には皆様の身体からは清々しい達成感が発しているように見えました。(髙橋)
>>>ユーラシア旅行社で行く小さな国々ツアーはこちら
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