宗教迫害への抵抗のシンボル、十字架の丘を訪ねて。(リトアニア)
先日、ユーラシア旅行社の「バルト三国を極める旅11日間」より帰国しました。バルト三国の地方都市も訪れるこのツアー。世界遺産の旧市街の街並みも大変魅力的でしたが、私を魅了したのはリトアニアのシャウレイ近郊にある十字架の丘です。丘と言っても、少し地面が盛り上がっている程度の砂山のようですが、ここには、リトアニアの人口290万を超える数の十字架が立てられており圧巻です。
ここに最初に十字架が立てられたのは、1847年のことで、重病にかかった近所の住人が回復したら十字架を立てようと誓っていたところ、見事に全快したのでその約束を実行したのが始まりです。この話が広まり、3年後には20の十字架が立てられますが、より多くの十字架が立てられるようになったのは、帝政ロシアの圧政に苦しめられていたリトアニア人が1863年に蜂起して、多くの犠牲者を出すようになってから。人々は蜂起での犠牲者やシベリアに追放された多くの人々を悼もうとしますが、ロシアにより家などに十字架を建てることが禁止されたので、ここに持ち寄ったそうです。ソ連により2度ほどトラクターで撤去、焼却されましたが、一夜にして多くの十字架が再び立てられます。ローマ教皇のヨハネ・パウロ2世がここで祈りを捧げて以降、ここは宗教迫害への抵抗のシンボルの地となりました。
バスを降りて駐車場から丘へ向かう途中、様々なデザイン、大きさの十字架の売店があります。ここを訪れた際は、お好きなところに十字架を立ててみてはいかがでしょうか?目指せ300万本!(瀬戸)
「ユーラシア旅行社で行く、バルト三国ツアーの魅力」
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