神様がいた、小さな村の教会(フランス)
先日、「絵のような風景」が広がる南西フランスから帰国しました。
今回はワインの里ボルドーから始まり、大西洋岸のバスク地方ビアリッツや
バイヨンヌを巡り、奇跡の泉ルルド、赤レンガで作られたバラ色の町
トゥールーズやアルビ、聖地コンクやロカマドゥール、そしてフォアグラや
トリュフの産地ペリゴール地方の小さな町々などを巡ってきました。
今回の旅は、訪れる町や村々の至る所で秋の到来を感じることができました。
朝の冷たい空気を吸い込んで見上げると、秋晴れのスカッとした青空。
街路樹のプラタナスやくるみの木は緑から黄葉にかわりつつあり、
足元を見ると栗のようにツヤツヤとした立派なマロニエ(西洋栃の木)の実が
ゴロゴロと転がっています。
さて、話は変わりますが、ペリゴール地方の小さな村、フランスの美しい村にも
認定されているカレナックを訪れました。
かつては水運で賑わったドルドーニュ川沿いの人口僅か300人ほどの小村です。
この日の朝に村を散策していて、ふと村の小さな教会に入りました。
堂内に入るとほんのり暖かく、ガランと静まりかえる堂内は薄暗く、誰もいません。
秋の穏やかな陽ざしがステンドグラスを通して石床に差し込み、
色彩も鮮やかに映っています。
冷たく固いはずの石床が次第に温かみを帯びて見えてきました。
小さな片田舎の教会なので、華美な彫刻や壁画、聖像などの装飾は一切ありません。
スッキリとシンプルな空間。余計なものは何も見えず、何も聞こえず、
優しい光が差し込んでいるのを、ぼんやり見ていました。
いつも私たちが観光で訪れる教会は、名の知れた立派な教会が多く、豪華な装飾で溢れる教会であったりします。
あっちの有名な彫刻、こっちのフレスコ名画、そっちの豪華な祭壇とあれこれ説明を聞いてキョロキョロしていますが、
この教会ではじっと前を向き、心を無にしてひたすら祈ります。
ふと、このような穏やかな空間の中でこそ、神様と繋がるような気がしました。
神様と向き合うべき空間は、こういう場所なのかも知れません。
今回の旅で訪れた小さな村々の教区教会はどこも地味ながら、
人々の日々の「祈りの空間」のような雰囲気があり、
静寂に包まれた堂内が印象的でした。(上田)
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