2015年10月15日 (木)

日本の“普通”が通じない南エチオピアへ!

ユーラシア旅行社で行く9月18日発「南エチオピア大縦断8日間」の添乗に行って参りました。今年、エチオピア航空直行便が日本に就航したり、エチオピアコーヒーメーカーの一つ「トモカコーヒー」が代々木上原に記念すべきカフェ第1号店をオープンしたり、某芸人さんがハマル族のブルジャンピングに挑戦したりと日本のメディアにも取り上げられ始め、知名度が徐々に浸透してきたエチオピア。
エチオピアは首都のアディスアベバを大雑把な起点として、北と南でガラリと雰囲気も暮らす人々の生活も異なります。南部に暮らす民族の人たちの中には、洋服を着用せず牛や山羊の皮で出来たスカートや上半身(ときには下も)は衣服を纏っていないスタイルで、電気・水道のない生活をしています。また一夫多妻制だったり、天下一武闘会(武器は木の棒)のような大会で一番強い男性が超絶にモテたりと私たち日本人の“日常”“一般”“常識”というものは、ことごとく通じない、まさに冒険をしているような地域が南エチオピアなのです。

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移動中の車窓の景色、民族の方たちの村、市場と食べ物など、どれもこれも珍しく、考えさせられたり、興味深いことだらけ。四駆による長い移動の多い南エチオピアでは、車窓から常に見かけるのは、水タンクを運ぶ人々。水道のない生活では、村指定の水汲み場で水を汲める指定の時間に合わせて並んでポリタンクに水を入れ、何キロも離れた自宅まで、主に女性が担いでいきます。朝と夕方には放牧地へ移動する牛や山羊たちと家畜を追う男性の姿。電線や電柱を見かけるのも大きな町の近辺だけ。エチオピアという国のイメージやアフリカという地域柄=食べ物に困っている先入観がありますが、ツアーで巡った湖周辺では綿花やバナナのプランテーションがあり、市場を巡ればジャガイモ、タマネギ、ニンニク、唐辛子、トウモロコシなどが売られています。エチオピアの国民食と言われるインジェラの原料となるテフは、北部では必ずと言っていいほど見かけますが、南ではあまり栽培されていないのでなかなか見かけず、高価な食物になります。その代りに南ならではの植物であるワサビノキ科のモリンガをよく見かけます。最近日本でもビタミンB、ビタミンC、プロビタミンA、β-カロテン、ビタミンK、マンガンなど栄養素が多く含まれたスーパーフードとしてお茶やサプリメント、美容クリームに加工されて売られています。市場では青々したモリンガの葉が山のように売られていますし、道歩く人々が担いで歩いていたり、村の畑や個人宅の庭に植えられていたり、現地の人たちの身近な植物で重要な栄養源なのだなと感じさせられました。私たちもツアー中に、ホテルのビュッフェで食す機会が何度かありましたが、苦みもなくホウレンソウのように食べやすく、私はたくさん食しました。(※繊維も豊富なので、食べ過ぎますと翌日お通じが良すぎるので注意です。)

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南エチオピアでは、様々な民族の方たちと出逢うことも、目的のひとつ。ハマル族、ムルシ族、エルボレ族、ツェマイ族などなど、エチオピアには80以上の民族が暮らしています。民族ごとの衣装や慣習、生活、持ち物など様々な違いがあります。また暮らしの中心が農耕の民族の人々は穏やか、遊牧民だと積極的と気質も違う模様。カメラを向ける私たちへの写真を撮れ!というアピール度と積極性が高いのは奇抜な風貌で名高いムルシ族。しかし、最近は遊牧民ではないツェマイ族の村人たちもすごい度を越した積極的になっていたことには驚きで、これは時代の変化といったらいいのでしょうか・・・。民族の人たちに対面したとき、感じたのは、自然のなかで生きる人たちは、やはりしっかりしていて、強いなぁと。愛想笑いはなく、力強い視線。地に足をどしっとつけ、背筋がピンと伸び、男性は無駄な脂肪のない引き締まった身体、女性は肉付きがあり女性らしさを持ちながらも腕は引き締まっていて、自然と共に生きるたくましさを身体つきや雰囲気(オーラ)から感じ、惚れ惚れと見入ってしまいました。

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日本では、町全体で停電が起これば、臨時ニュース速報としてテレビ画面の上にテロップが出たりしますが、現地では電気が不足すれば、急な停電または断水が起こります。停電はいつも何時間くらい続くのか?断水はいつも平均してどのくらいで終わるのか?この質問に現地のホテルスタッフは首をかしげます。質問の意味がわからないのです。こちらの質問も現地の人に対してはあまりに日本人的な質問だったのです。現地ではよく停電、断水が発生しますが、それが現地での“当然”なのです。むしろちょっと町郊外に出れば電気・水道のない生活をしているところで、電気・水道は“当たり前”ではなく『超・特別』なものなのです。
便利な日本に暮らしていると南エチオピア滞在時には不便に感じられることも多々あるかもしれません。それでも帰国の頃になると、これらのことも現地の生活を体験できた旅の思い出の一つになっている、それが秘境南エチオピアなのです。

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