苦難を乗り越えたスポーツ選手(クロアチア)
先日、「アルプスの懐スロヴェニアとアドリア海の至宝クロアチア11日間」より帰国しました。スロヴェニアのブレット湖周辺やクロアチアのプリトヴィツェ国立公園では、ちょうど黄葉が見頃を迎えており、美しい景色にアクセントを加えていました。
現在は、世界中から訪れる観光客を魅了するこの2ヶ国も、1991年まではユーゴスラビア連邦に属し、独立後も民族紛争が行われていた場所でした。前回の記事では、そんな苦難を乗り越えて成功を収めているクロアチアのアーティストをご紹介しましたが(下記ご参照下さい)、今回は、スポーツ選手をピックアップしてみました。
過去の記事「大注目!クロアチア出身のイケメン・アーティスト」より
http://eurasia-blog.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-12fb.html
<ルカ・モドリッチ(サッカー選手)>
「銀河系軍団」と呼ばれるスペインのチーム、レアルマドリードに所属。世界トップクラスのチームで、主要選手として大活躍している彼ですが、紛争により過酷な幼少期を経験しています。セルビア軍に祖父を殺され、家族とともに家を捨て避難したといいます。辛い環境や貧困からの逃げ場が、彼にとってはサッカーであり、その頃に培われた強い精神力が、プレーに磨きをかけています。ツアーでは、アドリア海沿いのザダルという古き良き面影が残る町を訪れます。この街はモドリッチの故郷で、地元ガイドさんは、「彼はザダルのヒーローよ!」と自慢げに話していました。まだ30歳の若い選手、今後の活躍にも益々期待したいです!
<ミルコ・クロコップ(元格闘家)>
格闘技を知らない方でも、彼の名前を聞いたことはあるのではないでしょうか?格闘家時代の本職は警察官で、その後クロアチアでは、国会議員も務めています。
故郷が紛争の激戦地であったことから、多くの友人や親族を亡くし、「みんなを守りたい」という強い意志の基で、警察官や格闘家を目指したといいます。ある時、インタビュー内で、涙ながらにイラク戦争の反対を訴えている姿を見ました。幼い頃から、紛争の凄惨さを経験してきた彼であるからこそ、その悲しみが理解できたのでしょう。この時から彼のファンになり、何度か試合観戦に行きましたが、彼は毎回、赤白チェックのリングパンツを履いていました。これはご存じの通り、クロアチア国旗のデザインです。試合での勝利は、紛争で亡くなった人々と、復興に向けて努力する国民に捧げられていました。
彼ら以外にも、様々な苦難を乗り越えて、世界的に活躍するクロアチア出身者は数多くいます。旧ユーゴスラビアの中でも、目覚ましい発展を遂げている背景には、人々の復興に対する努力と熱意があったからだと実感します。(飯野)
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